京都新聞ホールディングス（HD）が元相談役の女性に報酬として支払った約5億円の返還を求めた裁判で、京都地裁は23日、元相談役に全額を返還するよう命じました。

　訴えなどによりますと、京都新聞ホールディングスと子会社2社は、大株主だった白石浩子元相談役（84）に対し、2012年からの9年間に報酬などとして支払った約5億1000万円について、会社法が禁止する「特定の株主に対する利益供与にあたる」として、返還を求める訴えを起こしていました。

　一方、元相談役側は、「報酬の支払いは京都新聞側の経営判断に委ねられていて、違法な利益供与ではない」などと主張していました。

　この日の判決で京都地裁は「元相談役は、ほとんど職務を行っていなかったが、高額な報酬を受け取っていた」とし、支払いが利益供与にあたると認定。元相談役に全額の返還を命じました。

　判決について、京都新聞ホールディングスは「妥当な判決だ」とし、元相談役の弁護士は「現段階ではコメントできない」としています。