【独自解説】『初心者大歓迎★電話受付のお仕事です #UD』求人サイトにも紛れ込む“闇バイト”募集要項…今“シニア人材”も急増中 専門家指摘「意思の弱さ・情報モラルのなさから犯罪に加わってしまう」

金品を目当てに、何の罪もない女性(90)を殺害した狛江強盗致死事件。当時大学生だった“実行役”中西一晟被告(21/当時19)は、殴られ続ける女性を見て「恐怖心から何もできず立ち尽くした」と供述しましたが、言い渡されたのは懲役23年の判決です。なぜ“普通の人”が犯罪に手を染めるのか?巧妙化する“闇バイト”の募集手口とは?ジャーナリスト・多田文明氏、元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏のダブル解説です。
■逃げられない“闇バイト”の募集手口 『求人サイト』から応募した人も…
警察によると、SNSで高額報酬を謳って「荷物の運搬」「ホワイト案件(犯罪には当たらない仕事)」などの仕事内容で募集するのが“闇バイト”の募集手口です。応募すると、秘匿性の高いアプリに移行します。そこで「仕事のための身分確認」と装って本人確認を求められ、顔写真・運転免許証などを送ることになります。
そして、“ホワイト案件”だと思って集まった人たちと合流した後、仕事内容が“変更”され、強盗の指示が出されます。怖くなって逃げようとしても、指示役から「個人情報を知っている」「どうなるか、わかっているだろうな」などと脅され、犯行をためらっても逃げられない状況に追い込まれるということです。
警察庁のホームページによると、受け子などになった経緯は、2023年1月~12月末に検挙された2373人のうち「SNSから応募」が最も多く991人、続いて「知人等紹介」が763人。ただ、82人が「求人サイト」から応募したということです。
■「年齢問わず」の文言で…シニア層の募集が増える背景とは
実は今、増えているのが、シニア層(50代以上)への募集です。東京都のホームページによると、「年齢問わず」の文言に引っかかってしまうということです。また、特殊詐欺の手口が巧妙化していて、“おじいさん役”“おばあさん役”などかけ子や受け子の役割も多様化していることが背景にあるといいます。