【速報】「紅麹」問題で小林製薬が通期で127億円の特別損失と発表 本決算は上場以来初の「減益」に 新たに“腎臓疾患”専門の慶応大教授を社外取締役に招へい
小林製薬は10日、2024年1~12月期の連結決算を発表し、紅麹を含むサプリメントをめぐる問題を受けて、通期で127億円の特別損失を計上したと発表しました。最終利益は前期に比べ約50%の減益となり、1999年の上場以来、初めての減益だということです。
小林製薬が発表した2024年度の売上高は1656億円(前期比4.5%減)、本業のもうけを示す営業利益は248億円(前期比3.6%減)、最終利益は100億円(前期比50.5%減)。
紅麹製品の回収などに伴い、2024年10~12月の第4四半期で新たに25億円の特別損失を計上し、通期では127億円を特別損失が出たとして、売上高と最終利益を当初の予想から下方修正しました。また、今後発生する費用がある場合、2025年の決算で特別損失として追加計上する可能性があるとしています。
厚生労働省によりますと、紅麹を含むサプリメントを摂取後に健康被害が相次いだ問題をめぐって、2月2日時点で2681人が医療機関を受診(このうち551人が入院)、402人が死亡したと申し出があり、小林製薬などは、サプリメントの摂取の因果関係を調べるとともに、補償対応を進めています。
小林製薬では、「紅麹」を含むサプリメントを摂取した人の健康被害が相次いでいる問題で責任を取る形で、創業家出身の小林一雅会長(当時)と小林章浩社長(当時)が辞任し、山根聡専務が創業家以外では初めての社長に就任。1月には、山根社長が3月に退任するとともに、京セラ出身の大田嘉仁氏(70)を取締役会長、社内出身の豊田賀一執行役員を代表取締役社長(60)にあてる人事異動を発表していました。
また、小林製薬は10日、慶応大学医学部の副学部長で日本腎臓学会の理事を務める門川俊明教授を新たに社外取締役として招聘すると発表しました。
山根社長は10日の会見で、「株主の方にご心配をおかけしたと思う。しっかり反省の思いも踏まえて、(健康被害への)補償をしっかりやるというのが大前提だが、株主の方の期待に応えていく」と話しました。