【独自解説】“前科が多ければ多いほど金持ちになれる”韓国でチョ・グク氏の娘が立ち上げた韓国化粧品ブランドが大人気⁉歌手デビューなどマルチに活躍も、両親は懲役刑で服役・自身も罰金刑で控訴中…専門家指摘「歌を歌っている場合か」
韓国でインフルエンサーとして人気のチョ・ミンさん。父は、服役中の『祖国革新党』前代表・曺国(チョ・グク)氏です。マルチな活躍を見せるチョさんですが、2024年3月には不正入試に関する一審判決で罰金約110万円の判決が下り、現在は控訴中の身。日本では考えられない韓国の“文化”、そして社会的な負の一面とは?『コリア・レポート』編集長・辺真一氏の解説です。
■歌手デビューや化粧品ブランド立ち上げで大活躍も、全ては“父の力”?人気インフルエンサーを直撃
インスタグラムのフォロワー約16万人・YouTubeの登録者数約42万人(2024年12月18日正午現在)、人気インフルエンサーとして活躍中のチョ・ミンさん。2023年には「my cat」という楽曲で歌手デビューも果たしています。
チョ・ミンさんは父チョ・グク氏の収容直前、自身のYouTubeチャンネルで、「私は、父がすることを完全に尊重し、父も私がすることを完全に尊重している。それが、健全な家族関係だと思う」と語り、非常戒厳については「正直言って、あきれている」と話していました。
そんなチョ・ミンさんは、『CERO LABS(セロラボ)』という化粧品ブランドを立ち上げました。スキンケア商品『ハイドレーション ジェルクリーム』は、発売から13日で初回出荷分5000個が完売。現在は予約販売中で、2025年から順次出荷するということです。
チョ・ミンさん本人を直撃すると、韓国国内営業チームから回答がありました。「代表は現在、マスコミのインタビューを受けていません。全製品の品切れという状況を非常に感謝しています。来年も、より良い製品を発売できるよう努力したいと思います」としています。
一方で、取材した2024年12月18日は、入試不正に関する控訴審(二審)がスタートする日でした。
Q.韓国では、政治的な部分とブランドや化粧品などの部分を、分けて考えているんでしょうか?
(『コリア・レポート』編集長・辺真一氏)
「チョ・グクさんが代表を務めていた『祖国革新党』は、新党となって出馬して、国会議席で12を獲得、野党第2党になりました。約20数万人の党員を抱えていて、選挙では約600万人がチョ・グクさんの党に票を入れたんです。これだけの支持者がいますから、それは歌を歌えば売れますし、化粧品も売れると思います」
■前科が多ければ多いほど金持ちになれる?日本では考えられない韓国の“文化”
娘や息子の不正入学に絡む『業務妨害罪』などで懲役2年の実刑が確定し、2024年12月16日、ソウル拘置所に収容された『祖国革新党』チョ・グク前代表。議員資格は剥奪され、大統領選への出馬は不可能となりました。
チョ・グク氏と妻(元東洋大学教授)は、娘・息子の不正入学に関する罪で、それぞれ懲役2年・懲役4年となっています。妻はすでに服役し、2023年に仮釈放されました。
『ハンギョレ新聞』によると、娘・息子が入試で有利になるよう、インターンの書類などを偽造したということです。チョ・グク氏に関しては、娘が受け取った釜山大医学専門大学院の奨学金が賄賂だったとされていて、妻に関しては、釜山大医学専門大学院への進学に有利になるよう、東洋大学総長の表彰状を偽造したとされています。
また、娘チョ・ミン氏は、不正入学に関する罪で罰金刑となり、現在は控訴中です。高麗(コリョ)大学入学に当たり、高校時代の2週間のインターンのみで研究論文の筆頭著者に名を連ね、それを利用して筆記試験なしで不正入学したとされていて、高麗大・釜山大の入学取り消しとなっています。
Q.一回は刑務所に入らないと、韓国では大物になれないんですか?
(辺氏)
「日本では考えられませんが、これが韓国の世情、極端な言い方をすれば文化かもしれません。財閥の総帥(トップ)もかなりの前科を持っていて、『前科が多ければ多いほど金持ちになれる』と、半分冗談で言われるんです。ということは、建築法違反や収賄容疑などがなければ、そこまでのし上がれないという一面も、韓国は社会的な負として抱えているのではないでしょうか。チョ・グク氏は、法務大臣の頃は特に公平公正、そして平等の正義の世の中を作ろうとアピールしていましたが、結局は娘の不正入学絡みで夫妻で収監されるという。娘は、自分のために両親が収監されているのに、歌を歌っている場合かと私は思いますが」
Q.『サムスン』の副社長も知らない間に復職し、“ナッツ姫”も系列ホテルの社長になっていますよね?
(辺氏)
「おっしゃる通りです。パク・クネ元大統領も権力乱用と収賄容疑で懲役20年の刑を食らいましたが、3年そこそこで、“クリスマス恩赦”で出てきました。韓国には、『罪を罰しても人を罰しない』という良いのか悪いのかわからないような格言があって、チョ・グク氏も恐らく『共に民主党』李在明(イ・ジェミョン)代表が2025年に大統領選挙に当選すれば、“クリスマス恩赦”あたりで出てくるのではないかと、早くも言われ始めています」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月18日放送)