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【悪質】「Snow Manチケット1枚25万円」「セーラームーンコラボチョコ発売日前なのに転売」相次ぐ高額転売問題に、怒りの声続出 しかし、その“怒り”が次の転売を生む…?「“転売ヤー”はSNS上の不満の声を基に、高額転売できる商品を探していた」

2024年12月25日 14:00
【悪質】「Snow Manチケット1枚25万円」「セーラームーンコラボチョコ発売日前なのに転売」相次ぐ高額転売問題に、怒りの声続出 しかし、その“怒り”が次の転売を生む…?「“転売ヤー”はSNS上の不満の声を基に、高額転売できる商品を探していた」
発売前に転売された商品も

 あらゆる分野に広がる高額転売問題。人気キャラとコラボしたチョコレートが、発売日より前にフリマアプリで転売される事態に。さらにエンタメ業界では、コンサートチケットが1枚25万円で転売されるなどの深刻な問題に対し、出品者に“情報開示請求”も。はたして転売の抑止になるのか―?専門家を交え、“転売ビジネス”の実態に迫ります。

■「『これは今、転売商品として良いんだな』となる」SNS上の転売への“怒りの声”が、逆に“転売ヤー”の情報源に?

 今や人気商品の宿命ともいえる転売問題ですが、2024年12月10日に発売された人気漫画、『美少女戦士セーラームーン』と『明治』がコラボレーションしたチョコレートもその一つです。発売日前からフリマアプリでの出品が相次ぎ、中には1万円を超える価格で転売される商品も。

(SNSより)
「まだ(発売日の)10日じゃないのに、もうセーラームーンパッケージのやつ、転売されてる」
「転売するために買うなら、買わないでほしい」

 買い占めによって、通常の入手すら困難になっているといいます。また、明治のお菓子を3個購入すると入手できる、オリジナルグッズも発売前から出品されていました。

 なぜ発売日前のものが転売されてしまったのか、販売元である株式会社明治によると「転売目的により、お買い求めが難しくなることは大変遺憾でございます。買い占めは、お控えいただきたいと思います。12月10日から展開予定とアナウンスしていたにもかかわらず、一部店舗で予定より早く展開が開始されたことについて、予定日に合わせてお待ちいただいていたお客様に対して、大変申し訳なく思っています。今後は、予定日に合わせた展開方法について、検討してまいります」と話しています。

 対策として、大手フリマサイト・メルカリでは、「個別の出品物に対するコメントは差し控える」としたうえで、需給バランスが著しく崩れ、急激に価格が高騰するものへの対応方針というのを設定しています。

 まず安全、健康の維持に関わる必需品で、供給が著しく不足している商品については、必要に応じて出品規制を行っています。コロナ禍でのマスクや、消毒液なども規制が行われました。また発売後に商品価格が著しく高騰している商品については、検索画面や購入画面でアラートを出しているということです。

 そして、高額転売されることが多い、トレーディングカード・ゲーム機・アイドルやキャラクターのグッズなどの転売ビジネスの実態について、ジャーナリスト・奥窪優木氏は「希少なゲーム機を入手するため、学生を1万円で雇い、代理購入させていたケースも。転売ヤーたちは『欲しい商品が買えない』というSNS上の不満の声を基に、高額転売できる商品を探していた」と話しています。

Q.転売ヤーたちに対する不満の声が、逆に高額転売できる商品の情報を教えてしまう悪循環になっているということですか?
(ジャーナリスト・奥窪優木氏)
「そうですね。SNSで例えば“転売ヤー死ね”とか、検索すると、その転売ヤーに怒っているファンの投稿が出てきます。何について皆が怒っているのか、どの商品について怒っているのかを、そこで見つけて、『これは今、転売商品として良いんだな』となる」

Q.“高額転売”は罪にならないのでしょうか?
(元大阪地検・亀井正貴弁護士)
「転売行為自体は罪にならないが、ライブのチケットなどは、『チケット不正転売禁止法』で高額転売が禁止されている。また、『転売目的の購入を禁止』している商品を転売した場合、詐欺に問われる恐れも。購入する側も、犯罪によって入手した商品と知りながら買った場合、『盗品等関与罪』に問われる恐れも」

■チケットのやりとりは“トイレの中”?芸能事務所が大手転売サイトに対し“情報開示請求”も 「不正なチケットが流通している状況を、解決しなければならない」

 一方、エンタメ業界でも転売が深刻化しています。例えば人気アイドルグループSnow Manのコンサートチケットは、通常9700円のチケットが大手転売サイトでは1枚25万円で売られていました。Snow Manのファンからも「1名義で10公演申し込んでも1公演当たるのが奇跡。本当に許せない」と怒りの声が上がっています。

 STARTO ENTERTAINMENT所属のアーティストのチケットは、主に紙と電子の2種類あり、紙の場合は、会場に入る前から座席が決まっていることが多く、良い席のチケットは転売サイトなどに出品されます。そこで取引成立となると、会場周辺で落ち合い、チケットを受け渡すことが多いといいます。

 また電子チケットの場合は、あらかじめ座席が分からず、当日会場の入り口で、二次元コードなどをスキャンすると、座席が書かれたチケットが発券されます。そのため、複数のファンにより、良い席のチケットが会場の中で取り引きされることもあります。

 ネットで交渉相手を募り、落ち合って、現金とチケットを受け渡す光景が見られるといいます。中には、運営側にバレないよう、トイレの中でやり取りする場合もあるのだとか。

 そもそも、STARTO社のタレントのコンサートでは、ファンクラブなどから購入した正規のチケット以外は認めておらず、転売サイトから購入したチケットは無効となり、会場に入れないようになっています。それでもチケットの転売は後を絶ちません。

Q.転売目的でファンクラブに入っている人もいるということですか?
(奥窪氏)
「今、人気アーティストのチケットなども、そのファンクラブの公式アプリをまずダウンロードして、そこから買って、アプリがないと入場できないという対策を取っている所もありますけど、今はアプリごと転売してしまうという手口もあって、対策が難しいです」

 STARTO社は「ライブに行きたいファンの心理に付け込み、高額な値段で不正なチケットが流通している状況を、解決しなければならない」と話していて、大手転売サイトに対し、全1224件の出品者についての情報開示を請求しました。

Q.多くの人が、これは犯罪だという事を認識しないといけないですよね?
(奥窪氏)
「そうですね。法律に基づいた警察の取締りというのは、一定の抑止効果はあると思いますが、転売ヤーは、儲けのためには法律を破ることも、逮捕されるリスクもいとわないという人もいるので、なかなか法律だけで取り締まるというのが、難しいのではないかと思います」

 今回、STARTO社の情報開示請求が、はたしてどこまで転売抑止になるのでしょうか。犯罪によって入手した商品と知りながら買った場合は、『盗品等関与罪』になるということを、十分知っておいていただきたいです。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月11日放送)

最終更新日:2024年12月25日 14:53
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