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【速報】紀州のドン・ファン殺害初公判 元妻が起訴内容否認「殺していない」検察側「完全犯罪行った」「“完全犯罪薬物”で検索」

2024年9月12日 11:23
【速報】紀州のドン・ファン殺害初公判 元妻が起訴内容否認「殺していない」検察側「完全犯罪行った」「“完全犯罪薬物”で検索」
提供:吉田隆氏

 “紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性が殺害された事件で、殺人などの罪で起訴されていた元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が和歌山地裁で始まりました。今後、25回の審理を経て、判決は12月12日に言い渡される予定です。

 須藤被告は全身黒のワンピースに白いマスクを着け、堂々とした様子で入廷しました。人定質問のあとの罪状認否で、3秒間ほど沈黙した後、はっきりした口調で須藤被告は、「私は社長を殺していませんし覚醒剤を飲ませたこともありません。」と起訴内容を否認しました。

 “紀州のドン・ファン”と呼ばれた和歌山県田辺市の野崎幸助さん(当時77歳)は、2018年5月、急性覚醒剤中毒で死亡しました。元妻の須藤早貴被告(28)は、野崎さんに殺意をもって、何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したなどとして、殺人など罪に問われています。

 捜査関係者などによりますと、事件当日、野崎さんの家政婦が夕食の準備を終えて外出、その後、須藤被告と野崎さんが約4時間にわたり、2人きりでした。この間に野崎さんに覚醒剤を摂取したとされています。

 また、自宅の台所や掃除機からは微量の覚醒剤が検出され、事件前に須藤被告が覚醒剤の密売人と接触した形跡があったということです。須藤被告は日常的に覚醒剤を使用していた形跡はなく、野崎さんを殺害するために覚醒剤を入手した可能性が高いとみられています。

 一方で、須藤被告が野崎さんに覚醒剤を摂取させたことを裏付ける直接的な証拠は今のところ見つかっていません。

 検察側は冒頭陳述で、「財産目当てで結婚後、覚醒剤を使って完全犯罪を行った」と主張。須藤被告は和歌山と東京を行ったり来たりの生活をしていて、それに嫌気がさした野崎さんから離婚届を示された頃、「トリカブト殺人事件」という動画を見たり、「完全犯罪 薬物」「老人 完全犯罪」といった検索をしていたほか、覚醒剤密売サイトで、少なくとも3グラムの覚醒剤を注文し、十数万円支払って覚醒剤と思われものを和歌山市内で受け取るなど、周到に犯行を計画していたと指摘しました。

■検察側の立証のポイント

 また、検察は、急性覚せい剤中毒で死亡した野崎さんへの殺害方法について、

①覚せい剤を摂取させた時間帯(午後4時50分~午後8時ごろ)には現場には須藤被告と野崎さんの2人きりだったこと

②午後6時ごろに現場(野崎さんの自宅)敷地内にある防犯カメラで野崎さんの生存が確認されていること。※この時点では覚せい剤を過剰摂取した際に見られる錯乱の症状がみられないこと。

③午後10時36分に野崎さんの遺体が確認されていること

④覚せい剤の過剰摂取の場合、摂取後約2時間以上経ってから死亡するが、覚せい剤を詰めた「カプセル」を何らかの方法で服用させた場合はさらに40分遅らせることができること。

 これらの状況を踏まえ、須崎被告による野崎さんの殺害を立証していくとしています。