×

「『その下は何かはいとるんか』と聞かれた」「『ありがとうな』と抱きつかれた」現役町長の“セクハラ”疑惑、第三者委員会が「99の“不適切な行為”」認定 本人は反論「中立性を欠く」「どの時代も職員に好かれる首長などいない」

2024年2月29日 11:00
「『その下は何かはいとるんか』と聞かれた」「『ありがとうな』と抱きつかれた」現役町長の“セクハラ”疑惑、第三者委員会が「99の“不適切な行為”」認定 本人は反論「中立性を欠く」「どの時代も職員に好かれる首長などいない」
“セクハラ”疑惑の岐阜県岐南町・小島英雄町長

 岐阜県岐南町(ぎなんちょう)の小島英雄町長(74)に浮上しているセクハラ疑惑で、2月27日、第三者委員会が少なくとも「99の“不適切な行為”」を認定しました。それに対して町長は「僕は選挙で選ばれた人間。なぜ第三者委員会が辞職を促すのか」と反論。しかし、翌日の会見では「5月末までに辞めたい」と自らの進退について言及する一方で、「中立性を欠く」「どの時代も職員に好かれる首長などいない」と調査に不満をもらす場面も。果たして、その報告書の中身とは?

第三者委員会が「99の“不適切な行為”」を認定 しかし、町長は「僕は選挙で選ばれた人間ですよ。なんで第三者委員会が辞職を促すんですか」と反論

 小島町長は、2023年5月、複数の女性職員の頭をなでたり、尻を触るなどのセクハラ疑惑が浮上。当時町長は、「私は70歳を超えているので、頭をなでるということは“よく頑張った”という意味」と頭をなでたことは認めたものの「ねぎらいや激励の意味だった」と説明。他にも下半身に触れた行為に「性的な意味はなかった」と、強調していました。

 その後、町議会は小島町長に対する「辞職勧告決議案」を提出。2023年6月、町議会は「辞職勧告決議案」を可決しました。それに対して町長は、「粛々と公務をこなして、第三者委員会の結論を待って対応したい」とし、また、「セクハラ認定されたら辞職するのか?」の問いに「もちろんします」と答えていました。

 そして、2024年2月27日、第三者委員会は調査報告書を公表し、少なくとも「99の“不適切な行為”」が認定されました。その内容は、

「お尻を手のひらでポンッと触られた」  
「階段を下りるときに肩を抱かれた」   
「後ろから近付かれ、ポニーテールにした髪の毛を揺らされた」
「スカートをはいていた日、『その下は何かはいとるんか』と聞かれた」  
「『赤ちゃんみたいな手してるね』などとしゃべりながら、手の甲を30秒にわたってさすってきた」
「町長室に呼ばれ、入ると『ありがとうな』と言われ数秒の間、抱き付かれた」

 などとなっています。

 「町長が入庁して以来、ずっと触られている」という人や、なかには「町長の体を触らされた」という人もいて、強制わいせつ罪にも該当する可能性のある行為や「パワハラ行為」も認められたといいます。

 “進退”を委ねられた「第三者委員会」は、小島町長について、「『即時の辞職』以外の選択肢はない」としています。

 第三者委員会の結果を受けて、進退を判断すると言っていた小島町長でしたが、「第三者委員会はそこまで結論を出していいのか?ってことですよ。僕は選挙で選ばれた人間ですよ。なんで第三者委員会が辞職を促すんですか」と調査結果を受けての「辞職」については明言を避けつつ、さらなる調査を求めていたのですが…。

一転して突如“辞職の意向”を明らかにした町長 しかし、「調査報告書」には「中立性を欠く」「初めから“セクハラありき”で出されている報告書」と不満

 2月28日、一転して突如“辞職の意向”を明らかにしました。その日の午後行われた会見で、町長は冒頭「多大なるご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます」と謝罪した後、まず、真っ先に言及したのは、「調査報告書の内容」についてでした。

(小島町長)
「一言で言えば、中立性を欠いていたと思います。状況等も中立的ではない。私見ではありますが、偏見があると思っています。もう少し丁寧な説明あるいは調査があってもいいと思っています。やはりこれだけ出して決めつける以上は、やはり客観的な報告が欲しかった。初めから“セクハラありき”で出されている報告書だと私自身は思っています」
「自分の中では、正しいことをしてきたつもりでおりますが、このような大きな報道が出た以上は、良心の呵責があります。“指導”と“パワハラ”の境目って、どこなんですか?どの時代でも職員に好かれる首長なんかいませんよ。みんな何だかんだ不満は持っている。だから1人いえば『俺もそうだ』『私もそうだ』ってなってくるんです。連鎖反応で」

 と、報告された“セクハラ”や“パワハラ”とされる行為は、あくまで“指導”だと主張し続けました。

Q.抱き付いたりはないですか?他の人も見ているんですが、抱き付いた事実は?
(小島町長)
「記憶に無いっていうか、状況を判断してもらいたいですね。誰が来るか分からんところでやりますかね?」

 終始、言葉に怒りを込め感情をあらわにしていた小島町長。自身の進退について問われると…。

(小島町長)
「大変騒がしたことについては、申し訳ない。辞めるという方向ではあります」
Q.いつ辞められるのですか?
「一応、自分の中では、今すぐにでも辞めたいんですが、それだとこの報道に対して、認めたことになります。長くても5月末までには辞めたい。それ以上に早くなる場合もあります」

 また、“セクハラはない”と言いながら、「報告書はパラパラと読んだだけで全て読んでいない」とう小島町長。不快だと意見した職員たちに対しては…。

(小島町長)
「不快に思われたことについては、申し訳なかった」

 と、反省の意を述べていました。

(関西学院大学 小西美穂特別客員教授)
「町長は(忙しくて)調査報告書を読んでいらっしゃらないということですが、ここに持っていますが、20分もあれば読める内容です。この中に客観的な証拠として町長の弁明も聞いていますし、町長の発言が録音されているデータだとか被害のメモだとか全部ここに入っていて、99件の“セクハラ・パワハラ”行為があったと認定しています」

(「情報ライブミヤネ屋」2024年2月28日放送)