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【異変】食卓ピンチ!日本の主食「コメ」高騰「毎週5%ずつ上がっている?」天候不順とインバウンドが影響?根本原因は「市場縮小」新品種開発などの工夫も 問われる「食の安全保障」

2024年7月2日 16:00
【異変】食卓ピンチ!日本の主食「コメ」高騰「毎週5%ずつ上がっている?」天候不順とインバウンドが影響?根本原因は「市場縮小」新品種開発などの工夫も 問われる「食の安全保障」
「コメ」価格高騰のワケは?

 野菜・果物・海産物などの価格が軒並み高騰する中、日本の主食「コメ」にも値上げの波が!家計だけでなく、「コメ」を取り扱う店にも影響が出ています。この値上げラッシュは一体、いつまで続くのでしょうか?

2023年の猛暑とインバウンドの影響?高騰続く「コメ」1か月で約15%も上昇

 コメの価格は2年前から上がり続けていて、スーパーマルサンの齋藤元宏常務取締役によると「この1か月くらいで15%くらい上がっている。1週間単位で5%ずつ上がっている」ということです。

 東京・渋谷区のおにぎり「戸越屋」渋谷道玄坂店は1日250合(約38kg)の「コメ」を使用するそうですが、「戸越屋」の木本英二管理部長は「2回にわたり50~60円値上げすることで何とか経営が成り立っている。今月末にも『コメ』の価格が上がるので、さらに値上げすることも考えないといけない」と話しています。また、東京・北区の米穀店「篠原ライス」は低価格の「コメ」に人気が集中しているそうで、「篠原ライス」の篠原秀久代表取締役は「安い『コメ』を買いに来る人が増えたので、購入量の制限をしている」ということです。

 この「コメ」の価格高騰の原因を経済評論家の加谷珪一氏は「猛暑など天候不順の影響で流通量が減ったところに、インバウンドの回復で需要が増えたため」だとしています。スーパーマルサンの齋藤常務は「入荷が少なくなって取り合いみたいになっている」と話しています。

  2023年の「コメ」の収穫状況を見てみると、秋田・新潟など一部のコメどころでは猛暑の影響などで不作とのことですが、北海道・青森など他の地方では良いということで、農林水産省によると「需給がひっ迫している状況ではない」ということです。加谷氏は「価格高騰は新米が入ってくる8月以降はある程度改善されるだろう」と語っています。

 国民一人の一年あたりの「コメ」の消費量をみてみると、どんどん減っていて2022年は1962年と比べると半分以下になっています。加谷氏は、「価格変動の根本的原因は市場縮小。市場が小さくなると少しの生産量の変化で価格が大きく変動する。今後、似たような問題が発生する可能性がある」と話しています。

 また、日本の農業従事者数も減っていて2015年と比べて60万人近く減少しています。その平均年齢も68.7歳と高齢化が進んでおり、65歳以上の人が約7割を占めるということです。

暑さに強い品種の開発に、猛暑で等級が低くなってしまった「コメ」の活用も

 そんな中、福島県農業総合センターでは、暑さに強い品種を作るため水の温度を通常より高くして栽培しているとのことです。また、福岡県では、暑さに強い品種を県が開発し、2023年秋から県内で流通が始まりました。食味もコシヒカリと遜色ないということです。

 福井県鯖江市にある内田農産では、高温障害の影響で「コメ」の等級ダウンが相次ぎ、被害額は数百万円に上るということです。こうした「コメ」も見た目が悪いだけで味は変わらないということで、内田農産は等級ダウンした「コメ」を加工に回し、原料の一部に活用した麺「内農麺」を開発しました。味もおいしく、和洋中様々な味付けに合い好評だということです。

 しかし、日本のカロリーベースの食料自給率を見てみると、2022年度で38%となっていて、「食の安全保障」を不安視する声もあります。読売新聞の橋本五郎特別編集委員は「軍事にはみんな敏感だが、食糧安保に関しては必ずしもそうではない。本当は一番大事な問題だと思う」と警鐘を鳴らしています。

(「情報ライブミヤネ屋」2024年6月27日放送)