【独自検証】「人生で最もおいしい」「悶絶した」大阪の『マクドナルド庄内店』がナゼかSNSで大バズリ!整理券が発行されるほど人気の“マクド”をバーガー研究家が徹底分析!本当に他店よりウマいのか―?

今、SNSを中心に「おいしい」と話題となっている『マクドナルド庄内店』。世界規模の巨大チェーンで、一つの店舗だけが特別においしいなんてことがあり得るのか?実際に行った人が感じた魅力とは?読売テレビ・西山耕平ディレクターのリポートを交え、バーガー研究家・白根智彦氏が分析します。
■「シェフを呼んでください」SNS上で絶賛されるマクドナルド庄内店、実際に行ってみた
今、SNS上で絶賛されているマクドナルドの“とある店舗”。2022年、あるラジオパーソナリティーがXに「シェフを呼んでくださいって言いたくなるぐらいおいしかった」と投稿し、約3年が経った今、改めて注目が集まっています。
(SNSの投稿)
『結論から申し上げると、人生で食べたマクドの中で最もおいしかった』
『ポテトLサイズ頼んで悶絶しました。揚げ具合はパサパサ感が一切なく、しっとり』
『ビッグマックも形がキレイなのがうれしい。これは繁盛するわけだわ』
これはもう、行ってみるしかない―!
(読売テレビ・西山耕平ディレクター)
「ということで、噂は本当なのか、実際に、そのマクドナルドにやって来ました。一見、普通の店舗ですが…。あ、なんだか人だかりが…行列ができています!十数人はいらっしゃるでしょうか」
この日は平日だったにもかかわらず、店の前には20人以上の行列が。大阪梅田駅から電車で約15分、阪急庄内駅から徒歩1分の所にあるマクドナルド庄内店では、現在『整理券』を配布する事態となっています。
一見、特別に変わった様子はなさそうに思えますが、実際に食べた人に聞くと、称賛の声が続々と集まりました。
(『庄内店』で食べた客たち)
「冷めても、ずっとカリカリでおいしくて。塩加減とか絶妙でした」
「パンなんて一緒やろうと思っていたんですけど、バンズがふわふわでした。私たち、昨日もマクドを食べたんですけど、ポテトが全然違いました」
世界規模の巨大チェーンで、一つの店舗だけが特別においしいなんてことが、本当にあるのでしょうか―。
■“いつ食べても、どこで食べても、変わらないおいしさを”マクドナルドが掲げる理念
マクドナルドは、今から54年前の1971年、東京・銀座に日本第1号店がオープン。2024年は1年間の売り上げが約8300億円と過去最高を記録し、ファストフードの代名詞として、抜群の知名度を誇っています。2024年のアメリカ大統領選前には、あのトランプ氏が庶民性をアピールするため、マクドナルドでポテトを作るパフォーマンスを行ったことも。
そんなマクドナルドは2005年、『メイド・フォー・ユー』というシステムを全店舗で導入。「注文を受けてから調理し、出来立てを提供する」というものです。
さらに、“いつ食べても、どこで食べても、変わらないおいしさ”を届けるための『おいしさのゴールデンルール』なるものがあり、エッグ編・チキン編・ビーフ編・ポテト編・コーヒー編・フィッシュ編の各部門でルールが決められています。
すなわち、「機械・仕入れ・マニュアルは全店同じ」ということ。これは、西山Dの食レポでは、ちょっと心配かも…。
(西山D)
「というわけで、マクドナルド庄内店の味は他店舗よりも激ウマなのか、実際に私が食べても信憑性が低いということで、専門家をお呼びしました!」
■味が違うのは「あり得ない」⁉通算5000個以上を試食したバーガー研究家が実食
今回お越しいただいた白根智彦氏は、飲食店の運営などを行う企業の代表取締役CEOであり、バーガー研究家。これまで試食したハンバーガーは、通算5000個以上。2024年には『ハンバーガーとは何か?』を出版するなど、ハンバーガー研究のトップランナーです。
(西山D)
「全国多々あるマクドナルドの店舗の中で、庄内店の味が一味違うというのは、あり得るんですか?」
(バーガー研究家・白根智彦氏)
「あり得ないです。基本的に『統一のメニューで統一の味を出す』がコンセプトなので、特別おいしいこともないし、ダメだと思うこともないのがファストフードなんです」
(西山D)
「なるほど…。では、実際にどうなのか、私と白根さんで実際に買って、試食したいと思います!」
■実食①フライドポテト 試食してわかった、おいしさの裏側「全てが好循環」
5分後―。
(西山D)
「買ってきました。これから試食したいと思います。まずは、どれから参りましょうか?」
(白根氏)
「ポテトを食べてみましょうか…(試食中)…まぁ、カリッとしていると言えばカリッとしている」
(西山D)
「実際に食べてみて、他店舗との違いは感じますか?」
(白根氏)
「良い頃合いで、ちゃんとマニュアル通り作られたもの、という感じはします。お店の回転が早いので、出来立てがどんどん出てくるというサイクルが良く、油も良い状態でちゃんとキープされているだろうし、全てが好循環なのではないでしょうか」
■実食②ハンバーガー 写真のような商品に驚き「ちゃんと真ん中に入っている」
次に白根氏が手を伸ばしたのは、大人気の定番メニュー・チーズバーガー。
(白根氏)
「うわぁキレイ!」
(西山D)
「バンズが全然傷ついていないですね」
(白根氏)
「商品写真みたいです」
その、お味は―。
(白根氏)
「すごく良い状態で提供されているので、ふんわりしていることは確かだと思います。『食い切れる』と言うんですけど、引っ張ることなくサクッと歯が入るような感じがします」
(白根氏)
「あとは、ちゃんと真ん中にケチャップ・マスタード・オニオンが入っていて、丁寧にオペレーションされていると思います」
ポテト・チーズバーガーと続けて、なかなかの高評価。そして、最後は―。
(白根氏)
「ビッグマックは、開けたときに美しいかどうか。大体崩れていますから、それも想定内なんですけどね…わ、キレイだ、キレイだな!なんでだろうね⁉あはは(笑)ちゃんと揃っていると、食べたとき、想定通りに口の中に入ってくるんです」
(白根氏)
「…(試食中)…バランス良く口に入ってきます。揃っていないと、味のバラつきやソースのあるところ・ないところが出てくるので、どこから食べても常においしいのは、バランス良くオペレーションされているということですね。…おいしいなぁ、これ(笑)」
■「食は、総合的な満足感によっておいしさが左右される」専門家らの見解は―
実際に食べてみて、白根氏は「庄内店は一番良い状態・品質で提供し続けられていると思う。お客様に対する気付きのレベルが高い。安心して過ごせるお店だ」との見解を示しています。
また、フードライター・松浦達也氏も実際に庄内店へ行き、フライドポテトの揚げ具合・バンズやパティの焼き具合・ビッグマックの組み立てを、別の店舗と比較する調査を行ったといいます。
その結果、「フライドポテトが手に取りやすい向きになっていて、カリッと感とアツアツ感も長持ち」「ハンバーガーは、バンズ・パティ・ピクルスが全体的に一体感があった」「全ての客に『お砂糖とミルクは1つずつでよろしいですか』と確認・返却口にトレーもたまっていない」という魅力が、庄内店にはあったということです。
Q.味ではなく、接客が良いということでしょうか?
(哲学者・萱野稔人氏)
「食は、総合的な満足感によっておいしさが左右されるので、いろんなところを丁寧にやると、それが満足感になって、おいしいという感覚に繋がるのかもしれません。また、店長のオペレーションや采配が優れている可能性もありますし、こうして話題になることによって店員たちのモチベーションがさらに上がって、もっと良いもの出そうと、日々の創意工夫がいろんなところに表れている可能性もありますね」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月28日放送)