×

【異変】京都の“定番”観光地から日本人が減少 「住んでいる人が良い街だと思わないと街として失格」市の対策に大きな課題 さらに“穴場”を求める人におススメな国内旅行スポット&『ハワイ』や『LA』が往復8万円台!?海外のお得情報も紹介

2025年3月7日 8:00
【異変】京都の“定番”観光地から日本人が減少 「住んでいる人が良い街だと思わないと街として失格」市の対策に大きな課題 さらに“穴場”を求める人におススメな国内旅行スポット&『ハワイ』や『LA』が往復8万円台!?海外のお得情報も紹介
定番観光地の日本人離れ

 インバウンドで賑わう京都の定番観光地では、日本人離れが進み“逆転現象”が起こっています。このまま『定番』を避け『穴場』に向かう流れは進むのか?市はオーバーツーリズム対策を行うも課題は山積み。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に穴場でお得な旅行情報も合わせて解説してもらいます。

■外国人観光客が増え日本人が減少…“定番”から“穴場”へ「中心地にはいきたくない」 今の人気は『京北』エリア?

 観光客が溢れかえりオーバーツーリズムが課題となっている京都市。定番の観光地は連日、大混雑ですが、今、大きな異変が起こっています。それは“定番”観光地からの日本人離れです。

 京都市が2024年と2023年の秋に調査した観光客数の推移では、伏見稲荷などの定番の観光地では外国人観光客が軒並み急増し、2023年に比べ約30%増えているのに対し、日本人客は、約15%減少したことが明らかになりました。

 その一方、調査で見えてきたのが、日本人客が『定番スポット』から『穴場スポット』を選び旅行しているということです。市の調査によると『山科』や『伏見』『西京(にしきょう)』など、周辺の観光地では日本人客が20%以上増加しています。中でも京都市北西部の『京北(けいほく)』エリアでは前年の同じ時期と比べ59%も増えているといいます。

 市街地から車で約40分の豊かな自然と美しい清流、由緒ある神社仏閣に囲まれた『京北』エリア。この場所を訪れる日本人客が増加している理由とは?

 京北で創業100年を超える『料理旅館すし米』。最近は観光に来た日本人客からこんな話をよく聞くといいます。
 
(『料理旅館すし米』女将・黒川修子さん)
「今まで王道の京都を観光されたお客さまは1回や2回は行ったけれど混雑がすごいので、もっと静かに観光できる京都を探していただいて、京北に行き着いた感じ」

 実際、京北に観光に来ていた人も…。

(兵庫県から観光)
「中心地には行きたくない」

(兵庫県から観光)
「人・人・人で道にはみ出しているから、あんな所、車で運転していたら事故に巻き込まれるなと思って…」

 また、京都市もオーバーツーリズム対策として観光客の『分散化』に力を入れ、周辺観光地への誘客キャンペーンを展開。そうした取り組みが日本人客の増加につながったとみています。ただ、日本人客が大幅に増えた実感は薄く、周辺観光地の中には交通面など課題を抱えるエリアもあるとのことです。果たして、『定番』を避け『穴場』に向かう流れは今後も進んでいくのでしょうか―?

■今後ますますオーバーツーリズムに? 市は『観光特急バス』や『宿泊税』で対策も課題山積「住んでいる人がいい街だと思わないと街として失格」

 京都のオーバーツーリズム対策ですが、2024年6月から土・日・祝日限定で『観光特急バス』を運行しています。主に観光客向けのバスで、『京都駅前』から『五条坂(清水寺)』まで直通で結ぶ路線です。本来は間に6つの停留所がありますが、観光客が乗車することで、地元住民がバスに乗車できないという問題があり、防止策が取られています。2024年11月からの約1か月間の平均利用者数は約3000人だということです。

(航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗氏)
「私、この間も乗ったばかりですけど、かなり混んでいて、料金が1回500円なんです。通常230円だったと思いますが、倍以上していました。あと、1000円の1日券でも乗ることはできます。観光客の人は出来るだけそっちに乗ってほしいですが、通常バスの乗車数分散を目指しているのに、人が多すぎて、結局両方とも混雑しているという状況です。

『京都駅前』から午前中だと『五条坂(清水寺)』までは、7分か8分間隔で観光特急バスが出ていて、座れれば『五条坂(清水寺)』まで直通なので、ほかのバスに比べるとだいぶ快適に行けたかなという。今は土・日・祝限定ですけど、平日走らせてもいいかなと思います。

実は2月~3月上旬は、京都は1年間で空いている時期なんです。ちょうど3月下旬になると、桜があるので、それを目当てに来るインバウンドの方が多くいます。春節も終わった後なので、京都駅前のビジネスホテルのシングルは3月15日ぐらいまでなら、1泊7000円~8000円で泊まれます。混んではいるが、京都全体としてはこの時期は少ない。

実際、私は2月下旬あたりに、京都駅前のビジネスホテルに5500円で泊まれましたので、安く行くならチャンスですよ。桜の開花が始まったらすごいことになるので。もうめちゃくちゃなことになると思います」

 2024年の訪日外国人旅行者は過去最高の3687万人となり、旅行消費額は約8兆1400億円とのことです。旅行先は都市部に集中していて、同年10月のデータでは、東京・大阪・名古屋の3大都市圏への旅行が約7割を占め、オーバーツーリズムや宿泊代の高騰などが問題になっています。さらに地方にどうお客さんを呼ぶかも課題となっています。

 国や自治体は今後2030年に年間6000万人の目標を掲げており、今後、ますますオーバーツーリズムになるのではという懸念もあります。

 京都市では宿泊料金に応じて宿泊税を取っていて、今は最大でも1000円ですが、2026年3月からは 1万円に引き上げるということです。税収130億円の見込みで、これまでの2倍以上になります。京都市の松井市長は「市民生活に還元していきたい」と話しています。

(鳥海氏)
「お金はいっぱい入りますが、市も宿側にも観光に生かされるようにお金を使ってほしいというのが一番大事なんです。京都はPRなんかしなくてもお客さんが来るので、今はとにかくバスの混雑と道路の渋滞、あとゴミの清掃頻度を高めるとか、明らかに京都の街がきれいになって快適に移動できるようになれば、京都市民の喜びになると思う。やっぱり、住んでいる方と観光客の共存、住んでいる人がいい街だと思わないと街として失格ですから、そこを最優先にやってほしいです」

■『ハワイ』や『ロサンゼルス』が往復8万円で行ける!? 鳥海さんおススメの国内穴場スポット&海外お得情報を紹介!

 そんな中、鳥海さんおススメの国内旅行の穴場スポットですが、まずは『宮崎』です。グルメは地鶏・宮崎牛・ギョーザなどがあり、ゴルフ・高千穂の自然なども楽しめます。何よりも空港から市内が近く、利便性が良いとのことです。

(鳥海氏)
「もう宮崎は最高ですね。鹿児島・福岡・熊本は外国人観光客が多いんですけど、宮崎は新幹線が通ってないので少ないんですよ。でもゴルフも出来るし、おいしいもの食べて、昼寝したりも含めて、グータラするには最高の場所」

 そして『神奈川・湯河原』です。温泉や昔ながらの街並みもあり、3月上旬までは梅が見頃で、東京からも約1時間でいけるといいます。

(鳥海氏)
「熱海は外国人が多いんですけど、湯河原はそこまで大混雑ではなくて、温泉もいいし、あと旅館なんかも静かですし、梅が見られる梅園があるので、そこで梅祭りもやっていますので、それもぜひ見ていただきたいなと」

 そして『高知』ですが、海の幸・日本酒が豊富です。また海も川も楽しめ、大阪からは飛行機で1時間もかかりません。

(鳥海氏)
「東京からは1時間20分ぐらいで行けるので、ここはもう、カツオとか、あと屋台風ギョーザなど、『ひろめ市場』という朝から飲める所がありますので、そこに集まってワイワイガヤガヤしながら、間に観光するという。紹介した3か所共通ですが、やっぱり外国人が少ないというのがポイントになるかなと」

 そして海外のお得情報も教えていただきました。

 セールの時期だと『ハワイ』は往復約8万円からで行けるとのことで、通常のオフシーズンでも約10万からだといいます。

(鳥海氏)
「セール運賃が不定期で発売されて、大体燃油サーチャージ込み8万円台というのが月に1、2回は出てくる。“オフシーズン”とは、春休みとゴールデンウィークを除けば、5月の末から6月前半ぐらいまでは完全に“オフシーズン”ですね。あと4月上旬から中旬ぐらい、春休み明けのゴールデンウィーク前というのも、年間通じて安い時期です」

 格安航空会社『ZIPAIR(ジップエアー)』では、ゴールデンウィーク明けから、アメリカ・ロサンゼルスまで往復約12万円からとなりますが、狙い目は5月下旬から6月上旬だといいます。

(鳥海氏)
「6月中旬から下旬ぐらいまでが、年間通じて航空券往復12万円で、これもセールが出ると、8万円、9万円のときもあります。大谷翔平選手を見に行くなら、ちょうどこの5月下旬から6月上旬に『ドジャー・スタジアム』で、ヤンキース・メッツ・パドレスとの対戦が結構続きます。ヤンキースは2024年のワールドシリーズ戦の再現というのもあるので、そこで行くのがおススメです。

 入場券は2~3万円ぐらいですが、絶対に1階席の3塁ベンチとホームの間ぐらいの所が良いです。外野で見ると豆粒でしか見えないので、行った意味がなくなる可能性がある。3万円ぐらいするかもしれないけど、1階席の3塁側で見ると、大谷選手の顔を拝めるので、そこはあえてケチらないでいただきたい」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月26日放送)

最終更新日:2025年3月7日 8:00