【波紋】「また招待客100人に『日程変更・調整』の連絡を…」老舗ホテル突如“休館”で約180組の結婚式をキャンセルへ ホテル側は“前倒し”“迷惑料”など提案も、当事者からは疑問と怒りの声
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2025年2月18日、日本初の総合結婚式場『ホテル雅叙園(がじょえん)東京』が「2025年10月から休館する」と発表し、すでに予約されていた約180組の結婚式を突如キャンセルする事態に。SNS上でも嘆きや怒りの声が上がる中、実際に予約していたという当事者を緊急取材。90年以上受け継がれた“おもてなし”の歴史を誇る名門ホテルに一体、何が―。
■「放心状態」「楽しみにしていたのに…」突然の“結婚式キャンセル騒動”に予約者ら嘆き
(ホテル雅叙園東京 HPより)
『23万組を超える新しい夫婦の旅立ちと、そこから始まる家族の物語を見守ってきました』
100年近い歴史を誇る、東京・目黒区の『ホテル雅叙園東京』。優雅な日本庭園に煌びやかな壁画、都の指定有形文化財でもある『百段階段』など、長年親しまれてきた格式ある結婚式場です。
そこに降って湧いたのが、結婚式予約“突然のキャンセル騒動”。2025年11月に結婚式を挙げる予定だったという女性(30代)は、同年1月に予約したばかりだったといいます。
(11月に結婚式を予約 30代)
「雰囲気もそうですし、料理もおいしかったですし、綺麗な所だったので、ここでやろうと思っていたんです。でも、2月15日に、『オーナーがチェンジになるので、結婚式ができない』と電話があって。まさか、突然キャンセルになると思っていなくて。そんなこと、あるのかなって。そのあとは、放心状態で…」
突然言い渡された“結婚式のキャンセル”に、SNSでも「1年以上前から予約して、楽しみにしていたのに…」「何度も打ち合わせして話が進んでいたのに、ひどい」など、嘆く声が上がっています。
■“休館”のワケは、定期建物賃貸借契約の満了?オーナー変更?影響は約180組に
『ホテル雅叙園東京』のホームページによると、「建物所有者との定期建物賃貸借契約が満了となるため、2025年10月1日より一時休館とさせていただきます」となっています。
『定期建物賃貸借契約』とは、更新できない前提の契約で、所有を続けたい場合は再契約の必要があるということです。
一方、予約者に届いたメールには、「このたび、令和7年1月に建物の所有者変更が行われ、令和7年10月~令和8年3月まで改装工事が行われることとなりました」と、“オーナー変更”に伴う改装工事で一時休館すると書かれていました。
メールには『提案』として、「日程を“前倒し”して9月末までに結婚式を挙げる」か、「キャンセルする場合には、申込金20万円の返金と、迷惑料として一律10万円を支払う」とも書かれていました。しかし、影響は約180組に及ぶ事態になっています。
『雅叙園』によると、2025年2月10日に“休館”が決まり、式を挙げる予定だった人には同月14日から順次連絡しているといいますが…。
(11月に結婚式を予約 30代)
「もっと早く連絡をもらえなかったのかなと思ったり、1月に見学に行った段階で、何か決まったりしていなかったのかなと。怒りと悲しみです」
■招待客は約100人、式場の繁忙期…『前倒し』『式場変更』が簡単にはできない事情
10月に結婚式を行う予定だった女性(30代)も、憤りを隠せません。約180組のうち、6~7割が日程を“前倒し”して式を行う予定だといいますが…。
(10月に結婚式を予約 30代)
「そもそも、10月あたりが一番気候の良い時期なので、そこはこだわりたい。7~8月にやると、暑さで来てくれる友人の負担になるかなと思っていたので」
猛暑を警戒して10月を選び、招待客は100人ぐらいを予定していたといいます。
(10月に結婚式を予約 30代)
「私の親族が結構、遠方に住んでいて、休みが取りやすいタイミングを狙って、10月の日付でお願いしていました。友人たちにも、この日程かつ『雅叙園』でやることを伝えている状況です。ここから、また100人ぐらいに『日程変更・調整』の連絡をしなくてはいけないので…」
女性は現在、他の式場を探し始めていますが…。
(10月に結婚式を予約 30代)
「我々がやりたかった10月・11月が、式場の繁忙期に当たり、みんながそこを狙います。2月という、だいぶ遅れたタイミングから探し始めるとなると、希望していた日程・時間帯を押さえるのは、まず難しいだろうというのが現状です」
一方、女性は、「現場の皆さんが一番大変だと思う」とも話していました。
■“建物の所有者”は「コメントは差し控える」…法律的に問題は?
今回の騒動について、『雅叙園』は「予約いただいている方に誠心誠意対応したい」と語った一方、“建物の所有者”となったカナダの会社『ブルックフィールド・アセット・マネジメント』は、「コメントは差し控える」としています。
法律的な問題について、弁護士・亀井正貴氏は「客としては、ホテル側の債務不履行責任を追及できる立場。ただ、他のホテルでも結婚式を開ける時間があるため、損害が“発生しない”可能性がある。『どうしても、ここでやることに意味がある』『記念としての意味が高い』ということがあれば、慰謝料請求はできるかもしれない」との見解を示しています。
結婚式という『大切なハレの日』を巡って巻き起こった“キャンセル騒動”。多くの新郎新婦が納得する落しどころは、見つかるのでしょうか―。
(『情報ライブ ミヤネ屋』2025年2月19日放送)