【物議】「用地買収もできていないのに、なんで壊すんですか?」“傘いらず”の名物商店街が再開発で70mも分断?用地取得率51%なのにアーケードを壊した東京都に地元社長が怒り
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東武東上線・大山駅前から続くアーケード商店街『ハッピーロード大山』が今、揺れています。東京都が進める道路整備が商店街を分断する形で進んでいるのですが、用地取得率はまだ約51%。それなのにアーケードを壊したことに、商店街内にスーパーを構える社長が怒りの猛反発。名物商店街に一体、何が―。
■昭和から残る名物商店街が分断?アーケードが途切れる事態に
池袋から、東武東上線で5分。駅直結のアーケード商店街として買い物客でにぎわう『ハッピーロード大山商店街』は、560mにも及ぶ“傘いらず”の買い物天国です。
昭和30年代の大山を映した映像にはアーケードはなく、個人の路面店が集まっていました。そして、2つの商店街が1977年(昭和52年)に合併。アーケードが完成し、『ハッピーロード大山』が誕生しました。
しかし、商店街を歩いていくと、売りである長いアーケードが突然なくなり、約70m先から、またアーケードが繋がっている部分が出てきます。つまり、途中で分断されているのです。
■駅周辺で進む大規模再開発…分断の影響は東京都の“肝いり計画”
『ハッピーロード大山』は今、大規模な再開発の真っただ中。大山駅から離れた西側で進んでいる2つの大規模計画で、タワーマンションが4棟建設されます。そのうち、駅に近い立地の2棟は、ほぼ完成しています。
しかし、アーケード分断の最大の原因は、タワマンではありません。実は、この再開発は東京都が進める『都市計画道路』整備とセットになっていて、商店街を180mにわたって分断する形で、新たな道路を建設予定。東京都としては、山手通りと川越街道を繋ぐ道を通すことが長年の目標でした。
ところが、2025年2月14日現在、東京都の用地取得率は51%で、担当部局によると着工時期は完全に未定。「できるだけ早い時期に…としか答えられない」といいます。不動産ジャーナリスト・山下務氏は、「大山に限っていえば、再開発が主役で道路は脇役のため、道路開発はいつでも良いと言える」との見解を示しています。
■「道路ができるときに壊すならわかるけど…」着工時期未定でアーケードを壊したことに地元社長が怒り
この現状に、『ハッピーロード大山』で地元密着型スーパーを経営する社長は―。
(地元スーパー『コモディイイダ』飯田武男社長)
「道路がいつできるか、わからないんでしょう。道路ができるときにアーケードを壊すなら、わかります。用地買収もできていないのに、なんで壊すんですか?」
『コモディイイダ』は2003年、商店街の誘致を受けて、ハッピーロードに出店。以来20年以上、商店街と二人三脚で歩んできました。しかし、今回のアーケード分断には納得がいかないといいます。
(飯田社長)
「こんな素晴らしい商店街、東京都でも指折りの商店街のアーケードを壊してしまって、ベビーカーを押した方やお年寄りが、買い物に非常に不便をされている」
スーパー入り口には「計画反対」を叫ぶ横断幕をデカデカと掲げて営業し、自ら先頭に立って、デモ行進も4回実施。不退転の決意だといいます。
買い物客からは、「川越街道と山手通りがくっつくから、車を持っている人には便利」「この商店街のままがいいかなという気持ちは、すごく強くはあります。小さいときからここで育ってきたので、変わるのはやっぱり悲しいです」など、様々な声が聞かれました。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月14日放送)