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【速報】「ノーミスで通訳を、しなければ価値はない」“パワハラで適応障害” 社員がヨギボー会長提訴 降格や出勤停止の処分も

2024年10月24日 14:42
【速報】「ノーミスで通訳を、しなければ価値はない」“パワハラで適応障害” 社員がヨギボー会長提訴 降格や出勤停止の処分も
ヨギボーの木村会長

 ビーズソファの販売などを手掛けるヨギボー(Yogibo)で、海外出張中に木村誠司会長(当時は社長)から「100%の通訳をできると保証しなければ価値はない」と叱責されるなどのパワハラを受けたほか、長時間労働によって適応障害を発症したとして、社員の男性が会社と会長に対し損害賠償を求め訴えを起こしていたことが、24日、分かりました。提訴は8月9日付。

■「一言一句ノーミスで完璧に通訳をやることを約束しろ」「『はい』以外の返事があると思っているのか」

 訴状によりますと、訴えを起こしたのは大阪府内に住むヨギボー社員の男性で、去年9月、当時社長だった木村誠司会長とともに本社があるアメリカへの出張に行きました。

 男性は通訳人として採用されたわけではないにもかかわらず、出張中に商談などで木村会長から『100%の通訳』を執拗に求められ、それができていないとして「100%できると保証しなければ価値はない」「一言一句ノーミスで完璧に通訳をやることを俺に約束しろ」「お前の存在価値は俺が全て権限握ってることわかってるのか」「お前なめてんのか?俺を誰だと思ってるんだ?Yogiboの社長だぞ?俺の言葉に『はい』以外の返事があると思っているのか」などと叱責されたと訴えています。

 その後、男性は木村会長から「今日は休め。お前は寝ろ」などと告げられたため、仕事を休んで宿泊先で療養していたところ、会長から電話があり「お前本当に寝てたのか。仕事を何だと思ってるの?」などと言われたということです。精神的に追い込まれ体調を崩した男性は会社に報告の上、出張途中に帰国しましたが、その直前にも木村会長から「仕事の途中放棄は重罪ですが、その覚悟の上ですね?甘えじゃないですね?」などのメッセージが送られてきたとしています。

■男性は帰国後に適応障害と診断され休職中、降格や出勤停止の処分に

 帰国後、男性は病院を受診し、適応障害と診断され、会社に海外出張中の出来事を報告しましたが、会社からは「ハラスメント行為は確認できない」と回答を受けた上、会社側は通訳の業務について「業務指示の違反」があり、体調を崩して帰国した経緯について「職場放棄」にあたるとして男性を降格の懲戒処分としたほか、周囲に相談などをした男性の言動について「職場内秩序違反」などがあるとして12日間の出勤停止としました。

 男性は直後に休職し、提訴時点でも休職が続いています。

 また、男性は適応障害が発症するまでの6か月間で時間外労働が月平均80時間を超え、多い月で160時間以上あったとしていて、パワハラや長時間労働などによって適応障害になり休職せざるをえなくなったなどと訴え、会社と木村会長に対し合計約1200万円の賠償を求めています。

 24日、大阪市内で会見した男性は、「多い時には1日10時間ほど通訳をさせられ、『一言一句ノーミス』と言われ、具体的にどこが間違ってたかの指摘もなく、出張中はメンバー全員が一緒のコテージで、自由時間もほとんどなく約1か月間、缶詰の状態。『ごめん』の一言があればと思ったが、『仕事放棄』と言われ、身の危険を感じる精神状況だった。私としては、今回起こったことを謝ってほしいし、私と同じような気持ちになるような方がいなくなるよう、二度と繰り返してほしくない」と訴えました。

■ヨギボーは「パワハラの事実はないので、訴訟で争っていきます」 ホームページには「ストレスの無い社会を実現する」

 一方、ヨギボー側は、「パワハラの事実はないので、訴訟で争っていきます。長時間労働については、不正な勤怠情報の登録を確認しましたので、勤務データを精査しているところです」とコメントしています。

 会社のホームページなどによりますと、Yogiboの前身である「ウェブシャーク」は2002年に設立され、米Yogibo社と日本でのヨギボーの販売に関する代理店契約を結び、翌2015年に大阪・阿倍野に1号店をオープン。2021年には米Yogibo社を買収して、2022年に「Yogibo」に社名変更しました。現在。国内に100店舗以上を展開するほか、米国・韓国・台湾・タイ・シンガポールにも出店しています。

 ホームページに記載された会社ビジョンには「ストレスの無い社会を実現する」と記され、格闘技「RIZEN」やモータースポーツ、女子サッカーリーグなどに協賛しています。