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【独自解説】拘束された“北朝鮮兵”の“尋問”映像から見えた派兵の実態 捕虜になる前に自爆・自決を強要されていた可能性も…「北朝鮮で生け捕りというのは絶対に許されない」今後の情勢を専門家が解説

2025年1月24日 17:00
【独自解説】拘束された“北朝鮮兵”の“尋問”映像から見えた派兵の実態 捕虜になる前に自爆・自決を強要されていた可能性も…「北朝鮮で生け捕りというのは絶対に許されない」今後の情勢を専門家が解説
拘束された“北朝鮮兵”2人

 戦闘が激化するウクライナ情勢。そんな中、“北朝鮮兵”とされる捕虜2人の“尋問”動画をウクライナ側が公開しました。兵士の証言から見えてきた驚くべき派兵の実態とは?そして今後捕虜はどうなるのか?コリア・レポート編集長・辺真一氏の解説です。

■“北朝鮮兵”「ここ(ウクライナ)で暮らしたい」 “尋問”映像公開と自白で死刑の恐れも…「北朝鮮で生け捕りというのは絶対に許されない」

 ゼレンスキー大統領はSNSで「我々の兵士がクルスク州で北朝鮮の兵士2人を捕虜にした」と明らかにしました。ウクライナ側が“北朝鮮兵”とみられる2人の捕虜の映像が公開され、一人は1999年生まれで顎と顔面を負傷していて、もう一人は2005年生まれで、北朝鮮ではスナイパーを務めていましたが、今は足に骨折を伴うケガをしているといいます。

Q.あくまでウクライナ側が公開した映像で、北朝鮮側は公式に派兵を認めていませんが、この捕虜に関する信憑性はありますか?
(コリア・レポート編集長・辺真一氏)
「激戦地のクルスク州に兵隊を配属して丸2か月で、やっとウクライナ側が生存者を捕まえた。ゼレンスキー大統領の発表では、4000人近い北朝鮮兵士が死傷しました。そういう意味では、決定的な生き証人という形で、この2人を生け捕りにして、そのうちの若いほうの肉声が公開されたんです。声をじっくり聞いてみると、間違いなく北朝鮮の訛りなので、これが大きな戦果として、こういう形で公開する理由はよく分かります」

 2分55秒に及ぶ“尋問”映像の内容ですが、“北朝鮮兵”のベッドの脇に、パンとスープのような食事が置かれているのが映っています。また、拘置所の医師の診断コメントも入っていて、「1人は顎と顔面を負傷しているため、歯科医師が治療を行います。もう1人は足に骨折を伴うケガをしていますが2人とも十分な手当てを受けています」と話しています。

 また、2025年1月13日のハンギョレ新聞によると、ケガの影響で兵士は筆談をしていますが、言葉の壁があり、兵士2人は朝鮮語しか話せないため、韓国・国家情報院の支援を受け、朝鮮語の通訳を介して尋問を行っているとのことです。