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年収 1200 万円超でも「児童手当は必要」――“所得制限”に悩む家庭が訴え 批判も覚悟で...「大学に行かせるなら楽ではない」

2023年5月18日 8:59
年収 1200 万円超でも「児童手当は必要」――“所得制限”に悩む家庭が訴え 批判も覚悟で...「大学に行かせるなら楽ではない」
「1238万円を超えた」

現在は所得制限のある児童手当。岸田首相は 17 日、その拡充を明言しましたが、国による議論は今後どうなるのでしょうか。3 人の子どもを育てる都内の家族は、夫の年収が基準を超えたために支給額がゼロに。所得制限に悩む背景や思いを取材しました

■5 人家族「国からの手当一切ない」
17 日、都内に住む野村さん(仮名)家族を訪ねました。5 人家族ですが、会社員の夫は地方で単身赴任中です。今は小学生の娘 2 人、保育園児の息子と暮らしています。

「児童手当というのは全く(ありません)。国からの手当は一切なくなりました。(一昨年)夫の年収が基準の 1238 万円をちょっと超えてしまったので、(去年支給が)なくなりました」と野村さんは明かしました。

■所得制限なければ月に 3 万 5000 円
児童手当の所得制限に関する悩みがありました。野村さん一家の場合、所得制限がなければ子ども 3 人でひと月あたり計 3 万 5000 円の児童手当が支給されます。野村さんは年収 103 万円以下ですが、一昨年に夫の年収が基準の 1238万円を超えたため、所得制限により支給額は 0 円になりました。

――1238 万円という金額だけ聞くと、生活は大変ではないのでは?
野村さん「累進課税ですごく税率が高くなるので、税金で持っていかれてしまう額も大きくて」

さらに、夫は単身赴任で生活費はかさむといいます。

「年収は十分では」との批判も覚悟で、現状を訴えたかったという野村さん。「3 人大学に行かせようと思うと、とても楽ではない」と言います。

■議論へ...所得制限の撤廃どうなる?
国のこども予算倍増について議論する「こども未来戦略会議」で 17 日、議長の岸田首相は「第一に、児童手当の拡充をはじめとする経済的支援の強化...」と述べ、児童手当の拡充を明言しました。

野村さんは「所得制限撤廃への議論が始まったことにすごい期待感はあるんですけど、尻すぼみになっていかないでほしいなと思います」と望みました。

(5 月 17 日『news zero』より)

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