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移民“急増”中間選挙の争点に… 共和党は移民を都市部にバスで“移送” アメリカ

2022年10月25日 19:23
移民“急増”中間選挙の争点に… 共和党は移民を都市部にバスで“移送” アメリカ

アメリカの行方を決める中間選挙まで2週間。急増する移民問題が大きな争点となっています。メキシコとの国境に立ついわゆる“トランプの壁”をすり抜ける中南米からの移民たち。その現場を取材しました。

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メキシコと国境を接するアメリカ南西部アリゾナ州ユマ。たち並ぶ巨大な柵が国境を隔てています。

記者
「この柵は鉄でできていて、それぞれの間隔は拳ひとつ分くらいです。高さはかなり高くて、登れそうにありません」

高さはおよそ9メートル。果てしなく続くように見えますが、実は、一部は未完成で貨物コンテナを重ねて隙間をふさいでいる場所や、壁が途切れている場所もあります。

2年前、トランプ政権から移民に寛容なバイデン政権に変わり、中南米からアメリカへの移住を目指す人々が今、急増しています。

午後11時半過ぎ、国境を隔てる壁の前では…

記者
「いま壁の向こう側を歩いてきた方々ですね、移民があそこから入ってくるのがわかります」

壁の隙間から60人近くが入ってきました。メキシコ側には大きな川もあり、長い距離を歩いたのか、多くの人が息があがり疲れた様子でした。中には、アメリカの国境警備隊に抱えられたどり着いた人もいました。

人々は無事、越境できたことを喜び合っていました。

キューバ出身の家族
「キューバでは、表現の自由が抑圧されてきました。これからは自由に意見を持ち生きていきます」

安堵(あんど)からか涙を流していた女性もいました。

ペルー出身の親子
「過去に町がテロリストに襲われ、祖父母と叔父を亡くしたの」

最近も、知人が殺害されたと話しました。

自国の政情不安や経済悪化を理由にアメリカを目指す移民希望者。バイデン政権の移民受け入れ拡大政策を受け、今年に入って国境警備隊などが拘束した人の数は160万人を超え、トランプ政権下の2020年と比べ実に6倍に跳ね上がっています。

こうした移民急増のあおりを受けているとして、猛烈な抗議の声を上げているのが南部アリゾナ州やフロリダ州などの共和党の知事たちです。

フロリダ州 デサンティス知事
「寛容な移民政策が正しいと信じるなら、バイデン政権で受け入れてください。(移民を)送って差し上げます」

“移民受け入れに賛成する人々が責任を取るべきだ”として、国境に近い南部の州から国境から遠い都市部や首都ワシントンなどに、移民をバスなどに乗せ送りつけているのです。

民主党の地盤、ニューヨークでも――

記者(アメリカ・ワシントン、13日)
「ハリス副大統領邸の前に移民を乗せたバスが到着しました」
「小さな子どもの姿も数多くあります」

ニューヨークに送られた人は、18日時点で2万人を超え、急きょ、新たなシェルターが作られる事態になっています。食事などは無料で提供されますが、いきなり大都市に送りこまれた移民からは困惑の声も聞かれます。

移民男性
「ニューヨークで暮らすのは大変です。なかなか仕事が見つからず、苦労しています」

バイデン大統領は、“移民をまるでモノのように扱っている”と共和党のやり方を痛烈に批判しています。

アメリカ バイデン大統領
「共和党は移民問題を解決しようとせず、移民を政治の小道具にしている。完全に間違っている」

2週間後に迫った中間選挙では、この移民をめぐる対応が大きな争点になっています。

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