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【ナゼ?】映画のロケ地にもなった湘南の人気カフェが“立ち退き”巡って鎌倉市とバトル中!二転三転する理由と曖昧な回答に、店主は「負けるつもりない」と闘う姿勢

2024年7月15日 20:00
【ナゼ?】映画のロケ地にもなった湘南の人気カフェが“立ち退き”巡って鎌倉市とバトル中!二転三転する理由と曖昧な回答に、店主は「負けるつもりない」と闘う姿勢
湘南の人気カフェ『Venus cafe』

 神奈川・鎌倉市、“烏帽子ライン”とも呼ばれるビーチ沿いのルートを駆け抜けると見えてくる『Venus cafe(ヴィーナス・カフェ)』。映画のロケ地にも選ばれるなど、湘南の歴史と共に歩んできました。そんな人気カフェが今、泥沼騒動の真っただ中に!しかも、相手は鎌倉市。一体、ナゼ?

 『Venus cafe』は、江ノ島電鉄・極楽寺駅から車で約5分の場所にあり、1955年に鎌倉海浜公園内のレストハウスとして創業しました。サザンオールスターズ・桑田佳祐さんが監督を務めた映画『稲村ジェーン』のロケ地になるなど、非常に人気のカフェだといいます。

 店主・吉澤治郎さんによると、2020年に突然「検査で不適切なら立ち退いてもらう」と、鎌倉市から“耐震検査”の電話があったといいます。

 この電話を受け、2020年12月~2021年1月にかけて、吉澤さんは自身で専門家による耐震検査を実施。結果は、「地震により倒壊する可能性は低い。ただし、一部補強の必要あり」という診断でした。

 2021年2月、吉澤さんはこの検査結果を鎌倉市役所へ持っていきましたが、担当者は「受け取れない。持って帰ってくれ。市の検査を実施する」と対応してくれなかったといいます。

 そして2021年9月、鎌倉市が耐震検査を実施。2022年3月、鎌倉市から「耐震基準を下回っている」と連絡がありました。しかし、吉澤さんによると、鎌倉市に対し『耐震検査結果』の開示請求をしたところ、そこには「問題ない」と記載してあったということです。

 一方、鎌倉市側は『ミヤネ屋』の取材に対し、「鉄筋コンクリートは耐震基準を満たしているが、鉄骨の結合部分は耐震性を有していない。この鉄骨部分は『Venus cafe』の客席の大部分を占める。大規模な地震が発生した場合、鉄骨部分が倒壊するなどして、不特定多数の生命・健康への被害が懸念される」としています。鎌倉市は『都市公園法』に基づき明け渡しを要求し、2023年1月からは管理許可を出していないということです。

 鎌倉市は「1年半以上、無許可で公園施設の占有が続いている」として、2024年6月、『建物の明け渡し』『損害賠償請求』訴訟を起こす議案を議会に提出、可決されました。

 ただ、鎌倉市・松尾崇市長は2024年5月、「きっかけは耐震不足だが、特定業者が優先的に借り続けている形態を見直さなければならない」と話しました。「一社に独占的に使用させ続けることは公平性に欠ける」としていますが、市が管理する『鎌倉海浜公園』内には1975年に開業したホテルもあります。「約50年、この地で営業しているホテルは、独占的な使用に当たらないのですか?」という『ミヤネ屋』の質問に対し、鎌倉市・担当者は「今後、検討していく」としています。

 また、カフェ跡地の活用方法についても、「具体的な活用計画は決まっておりません」と回答。これに対し、くりはらえりこ鎌倉市議は、「あの地域の活用計画を持っていない中で、立ち退きを命じるのは非常に違和感を覚える。狙い撃ちみたいに見える」と指摘しました。

 裁判を前に、『Venus cafe』の店主・吉澤さんは「負けるつもりはない。望むところです」と、強い意思を示しています。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年7月12日放送)