RADWIMPS・野田洋次郎、脚本の感想は音楽で返答 新海誠監督「最初に洋次郎さんに脚本を送った」
本作は、『君の名は。』『天気の子』に続く新海監督の3年ぶりとなる最新作。日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く冒険物語です。
映画『すずめの戸締まり』で野田さんは音楽担当として、作曲家の陣内一真さんと共に作品に参加。本作で野田さんと新海監督は『君の名は。』『天気の子』に続く3回目のタッグとなりました。野田さんとの制作時のやり取りについて新海監督は「いつものパターンなんですけど、脚本を書き終わった後に脚本の感想を誰かに言ってほしいなと思って、最初に洋次郎さんに脚本を送った。すると数か月後に音楽の形で感想が戻ってくる」と共作した回数を重ねた結果、定着したという曲作りの流れを明かしました。
さらに、陣内さんとのタッグについて野田さんは「さらに新しい起爆剤のような要素が欲しいという(新海監督との)話から、制作中盤を迎えたタイミングで陣内さんと出会った。役割を分担して、夏あたりまでは必死に新海誠という鬼コーチの千本ノックを受けるような形ではあったんですけど、心強い同士が遠くで作ってるんだなとうれしく思いながら必死に作っていた。陣内さんが作った曲を聴いてものすごい刺激を受けました」と曲作りを明かしました。
■野田洋次郎 新海監督に興味津々
また、野田さんはアフレコの現場にも見学に行ったそうで、その際の新海監督が“他の現場に比べて楽しそうだった”と話しました。すると、新海監督は「アフレコの現場は楽しいです。絵の現場がつらすぎて。僕にとってはアフレコ現場が保健室みたいな、ちょっとリラックスできる場所」と告白。続けて「絵の現場は職人の集まりで、自分の技とプライドをかけて芝居に向き合っている。いい年をした大人が泣きながら“もう1日ください”って訴えてくるという現場が1年8か月くらい続くので」と制作現場の過酷な様子を明かしました。
さらに、野田さんは「新海さんが感情をかき乱されて、ワッとなる瞬間を見たことがない。もしかしたら“作画にいったらとんでもない怒号が飛び交っているのでは?”と思って見てみたい」と興味津々な様子。すると新海監督は「諸先輩の伝説の監督だとゴミ箱を蹴るとか、描いてくれた絵をホチキスでとめて見られなくするとか聞くけど僕はそんなタイプではない」と笑いながら応えました。