エル・デスペラード 正体不明のマスクマンが「嫌です」と断り続けたスタイルブック発売のワケ
デスペラード選手は、身長、体重、出身地など、すべてが謎に包まれた正体不明のマスクマンで、これまで新日本プロレスでは、IWGPジュニアヘビー級王座や、IWGP Jr. ヘビータッグ王座などのタイトルを獲得。オーソドックスなレスリングから壮絶なデスマッチまで幅広く団体の垣根を越えて活動し、多くのファンから支持されています。
■初のスタイルブック発売も「さんざん断った」
デスペラード選手の初めてのスタイルブック『Despelibro』(12月18日発売)では、休日をイメージした私服姿や全身のパーツごとに撮影されたグラビア、さらに、漫画・アニメ・ゲーム・音楽などカルチャー好きなデスペラード選手による“推し作品”の紹介など、ミステリアスなデスペラード選手をより深く知ることができる一冊となっています。
――今回のスタイルブックを発売することになった経緯を教えてください。
最初に“スタイルブック、SANADA選手が出しました、高橋ヒロム選手が出しました、デスペラード選手どうですか?”、「嫌です」が最初の会話だったんですね。で、“例えば、釣り行ったりとか、たき火とか好きじゃないですか。会社のお金でできますよ”、「そういうのは自分のお金でやるからいいです」と。
で、最終的には殺し文句だったと思うんですけど“推しに会えますよ”という一言が来たんですけど、「僕は会いたい側じゃなくて、映っているものを応援してればそれで満足するタイプなんで、推しは会うもんじゃないんでいいです」って、バッサリ全部ダメダメダメって断っていたら、最終的に“誰かお話したい人はいませんか?”って、それまでと違うテンションの質問が飛んできて。
これでもう無理難題を言えば大丈夫だろうと、「じゃあ(『BRAHMAN』の)TOSHI-LOWさんと対談できたらいいですよ」って。絶対OK出ると思わなかったら、“対談ブッキングできました”ってきちゃって。さんざん断った結果、TOSHI-LOWさんがOKだったらじゃあしょうがない!
■好きなものを見ている自分「こんな顔してるんだ」
今回のスタイルブックでは、アニメや漫画、映画、音楽とさまざまなカルチャーへの造詣が深いデスペラード選手が、まんだらけ(アニメグッズなどの中古販売店)を訪れた様子も収められています。
――実際に内容も監修されて、出来栄えやご自身の評価はいかがですか?
まんだらけさんで撮影させてもらったんですけど、“あ、こんな顔してるんだ”っていう感じですね。自分でも知らない顔していたので。リングとかだと、どう見えているかってことが大事で自分を客観視しながら、エントランスとか試合とか組み立てていますけど、ただ好きなものを見ている自分というものは外から見たことがなかったんで、面白かったですね。楽しかったですね、まんだらけさん実はそんなに行ったことなかったんで、普通に「うわー!」っていうテンションになって。
で、ソフビはハマるとダメだってわかっているから、僕は本当にヘドラ(ゴジラシリーズに出てくる怪獣)の1個しか買ってないんですよ。でもこれ以上手を出したらやばいなと思っていたのに、まんだらけさんで撮影したものですからたぶん…、大丈夫だと思うんですけど、買いそうです、危ない。
■自身の趣味をSNSで発信「きっかけになってくれたら」
――アニメなどのカルチャーから受けたいい影響があれば教えてください。
僕はバックステージでのコメントもわざわざ見てくれている人が楽しめるものにしたいと思っているので、表現であったり、しゃべり方や、身ぶり手ぶりというのはかなり映画とアニメからきてますね。試合後だとスイッチが入りきって、僕のマインドが返ってきてない状態。体が勝手に全部を動かしてくれている状態なので、あれは全て今まで自分が見てきたアニメと映画といろんなもの、エンターテインメントのインプットしたもののアウトプットですね。
しゃべり方だって、もっとかっこよくしたいっていうのがあって。それを演技としてやるんじゃなくて、リング上のテンションのまま、“はいカメラ前です”ってバンって投げられたときに自分の中からドロドロと流れ出るものっていうのが、本当に自分の身になっているものだと思っているので、一生懸命動いて何かをやっているうちはまだそこまで達していないと自分は思っているんで。僕はプロレスラーがその単語を使うのかよ、あってんのかって言われると嫌ですけど、表現者になりたいと僕は思っているので。
――SNSでは主に自身の趣味について発信していますが、その点はどのように考えていますか?
せっかく自分をわざわざリング上で見てくれている人が、SNSまで追いかけて見に来てくれている。それでリングと同じ事しか言ってなかったら何も面白くないんですよね。僕を見てくれている人に、僕が好きな人たちを紹介することでそっちを見に行ってくれてる人もいっぱいいて。たとえば(バンドの)打首獄門同好会さんのミュージックビデオに出させてもらったときに、向こうのお客さんから反応がこっちにきたとか、僕が出ましたってことで僕を見てくれている人が向こうにいったりとか。そういうのが、きっかけになってくれたらいいなと思って言っています。