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マドンナら手がけたファッションデザイナー・ゴルチエを取材 不可欠だったのは「パートナーとの出会い」

2023年5月20日 8:10
マドンナら手がけたファッションデザイナー・ゴルチエを取材 不可欠だったのは「パートナーとの出会い」
ゴルチエさんデザインの衣装
音楽界の女王・マドンナなど世界的スターたちの衣装を手掛け、日本では過去にBOOWYへの衣装提供や、THE ALFEEとのコラボレーションを行い、ロックファンからも支持を集めたファッションデザイナー、ジャンポール・ゴルチエさんを取材。奇抜な衣装たちの生い立ちや、服作りへの思いを明かしてくれました。

5月19日から東京と大阪で順次上演される、ゴルチエさんの半生を描いたミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』。ゴルチエさん自身が演出を務めるミュージカルで、実際にパリコレを彩った貴重なオートクチュールコレクションが200点以上登場します。ゴルチエさんを取材すると、思いが込められたアイテムについて書面で解説してくれました。

■マドンナ着用の伝説的アイテム『コーンブラ』 誕生のきっかけは

公演で登場するクマのキャラクター・ナナが身につけている、胸元が特徴的な『コーンブラ』と呼ばれるコルセット。マドンナがライブで着用したことで伝説的なアイコニックファッションとなったアイテムです。ゴルチエさんは「子供の頃のインスピレーションから生まれたもの」と明かし、「幼少期に着せ替え人形が欲しくて両親にバービー人形を頼んだが(私が男性であることから)両親はからかわれたくなかったので、代わりにテディベアをくれました。そこで、祖母の化粧品でメイクをしたり、髪の毛としてロープをつけたり、ドレスアップをして世界初のトランスジェンダーのクマにしました。そして、6歳くらいのとき、新聞を切って小さなコーンブラを作ったのです」と誕生の原点を明かしました。そのため、「初めてコーンブラをつけたのはマドンナじゃなくてナナ!」と説明しました。

そして、奇抜で唯一無二の服を生み出すゴルチエさんにとって必要不可欠となっていたのが、公私ともに大切であったというパートナーの存在。2人が1人の人間であるかのように首元と胴体が一体となった斬新なシャツは、パートナーとの関係をもとに作ったといいます。「私のボーイフレンドでありビジネスパートナーであった存在と出会った瞬間を象徴しました」と表現しています。「私たちが生活と仕事の中でどのようにつながっていたか、親密な関係を表しています。彼は野心を持っていた人で、私に必要な自信と戦略的なアドバイスをくれたんです。私にとって不可欠な存在でした」とパートナーへの思いを明かしました。

■願いは「私の作品を見て笑顔になってほしい」

様々な感情や出来事からインスピレーションを受けて、独創的な衣装を生み出しているゴルチエさんは、自身の服作りについて「さまざまなジャンルや珍しい素材を予想外の方法で組み合わせたりすることを楽しんでいます。私の作品を見て笑顔になってほしいと思いを込めています」と明かしました。