葬送のフリーレンなど 声優・小林千晃 「先生」や「お父さん」導く立場の役にも意欲
■30歳の誕生日にフォトブック発売 当日は声優・小野賢章と買い物も
小林さんは、2016年に声優デビュー。2021年『声優アワード』で活躍した新人に贈られる賞を受賞し、これまでに『マッシュル-MASHLE-』(マッシュ・バーンデッド役)、『クールドジ男子』(一倉 颯役)、『Paradox Live』(御子柴 賢太役)、『ラグナクリムゾン』(ラグナ役)、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(デュース・スペード役)、『地獄楽』(画眉丸役)などに出演しています。
そんな小林さんが、30歳の誕生日に発売した初のフォトブック『CHEER』。「30歳という節目に自身のルーツをたどるべく横浜へ」をテーマに地元・横浜で撮影が行われました。
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――初めてのフォトブック発売ですが、反響はいかがですか?
ファンの方からも業界の方からも「発売おめでとう」っていう言葉をいただけてすごくうれしいですし、光栄だなと思いました。
――発売日に30歳のお誕生日を迎えられましたが、どのような1日になりましたか?
ほかの日と同じようにアフレコや仕事が1日あったんですけど、その合間に(声優の)小野賢章さんとお買い物する時間がありまして、二人で買い物をして。しかも僕これまでメガネを買ったことなかったんですけど、小野さんからメガネもプレゼントしていただいて。ただ、夜は寂しく「ナスのお弁当」を食べていたので、日中まではすごく幸せなキラキラした日だったなと思うんです。自分の好きな仕事をして、好きな先輩とお買い物してっていうふうにできたので、本当にうれしい30歳の誕生日でした。
――発売記念のイベントでファンの方とお話をする機会がありましたが、いかがでしたか?
僕自身一対一でお話しする機会ってとても少ない珍しい機会だったので、「普段どういう方が応援してくれるんだろう」ってなかなか見えるものではないので、すごく新鮮で。みんな頑張ってお話ししてくれようとして、その姿を見てすごく勇気がわくというか。「これからも頑張っていきたいな」っていうふうに思えるぐらい、すごく真摯(しんし)にみなさんメッセージをくれてうれしかったです。
――地元・横浜での撮影でしたが、写真撮影時の心境や現場の雰囲気はいかがでしたか?
カメラマンの方とか、メイクさん、スタイリストさんみんな僕がお世話になっている方々で、チームを組んで撮影に臨めましたし、あとは自分の勝手知ったる地元っていうところもあって、すごく自然にというか、表情とか立ち振る舞いで臨めたかなって思う。「30歳だから」みたいな感じで前のめりにならずに肩の力を抜いて撮影できた気がしますね。
――特に印象に残った撮影場所はどこですか?
三溪園に行ったんですけど、僕元々三溪園のすぐ近くの所に住んでいて、祖父とかと遊びに行ったらしいっていうのを親からは聞いていたんです。本当に幼少期だったので、あまり記憶になくて。25年ぶりとか三溪園にも行ったんですけど、不思議と懐かしい、ノスタルジーな気持ちになれてすごくうれしかったです。あと、その日雨だったんですけど、途中からすごく晴れだして、運命めいたものを勝手に感じていました。
――ファンの方に注目して見てもらいたいカットを教えてください。
赤レンガ倉庫の撮影が、信じられないぐらい強風で。立っていられないぐらいの強風だったんですよ。「これ、どうなるかな」と思ったんですけど、意外とかっこいいカットが多くて。みなさんも「こんなにかっこいいカットがあるのに、風に吹かれて今にも飛ばされそうだったなんて」っていうふうにいろいろな見方をしていただければなと思います。
――四つ葉のクローバーを持ったカットもありましたが、あれは公園で見つけたんですか?
そうですね。一応僕も探したんですけど、結局マネジャーが見つけてくれて。それをもらったのをあたかも自分が拾ったかのようにしてました(笑) 僕は見つけられてないです。
■「これまでは引っ張っていただく側」 演じてみたい役柄は“導く役”
さらにフォトブックには、子供時代から学生時代、そして声優としての活動など、自身の半生について赤裸々に語ったロングインタビューが掲載されています。その中で小林さんは、声優の活動をする中で“どれだけ役柄の幅を広げていけるかが重要”と明かしています。様々なキャラクターを演じてきた小林さんに、今後挑戦してみたい役柄を聞きました。
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――「演じたことはないけれど今後挑戦してみたい」という役柄はありますか?
導く役というか、“先生”みたいなポジションの役柄を演じるのはすごく興味がありますね。“お父さん”とかでもいいんですけど、メインキャラクターたちを導ける、引っ張るような側にも立ちたいなって思いますね。僕はどちらかというと、これまでは引っ張っていただく側だったので、僕が今度は逆側になって、そういうお芝居の引き出しを出せたらいいなってすごく思います。
――今後どのような声優さんになっていきたいか、思い描く声優像を教えてください。
今は目の前の仕事、オーディションとかに向き合うのが精いっぱいなので、先の将来っていうところは正直そこまでは見据えてはないんですけど、「仕事、仕事」っていうのも大事なんですけど、同時にプライベートも充実した方が結果的に仕事が豊かになる、フィードバックされると思う。仕事は、もちろん100パーセント全力でやって集中しつつも、プライベートも同じくらい休む時は休んで充実させて、休んだ分の解放感とか楽しかった思い出みたいなのを還元できるように、すごくいいバランスで役者人生を送っていきたいなと思いますね。
喉壊しちゃったりとか、体調を崩しちゃったりっていう方も、どうしても頑張りすぎると出てきちゃうんですけど、そこをやってしまうと元も子もないなとも思っちゃうので、もちろん頑張りはするんですけど、頑張りすぎないようにしつつ、うまいサイクルで生きていけたらなと思います、理想ですね。