松本梨香、演技で大切にしていること 「子どもたちは絶対にウソを見抜く」 歌手・女優・声優として活躍
■執筆の理由は「伝えたいことがいっぱいあった」
今回、松本さんは自身初のエッセイとなる『松本梨香エッセイ ラフ&ピース』(宝島社)を執筆。エッセイは、歌とスポーツが大好きだった少女時代、家族との思い出、芸能活動での挫折や作品との出会いと別れ、また今後の活動についても語った一冊になっています。
――執筆を振り返っていかがでしたか?
自叙伝みたいにさせてもらってやったんですけど、いろいろ振り返ってみて、こういう時にこう思ったとか。こんなことがあったけど、それがすごく役に立つとか、自分の中で。一つ一つがすごく自分にとって大切で大事で。そういうもの一つ一つが松本梨香を作ってるんだな、と。改めて、自分も振り返って良かったなとすごく思いました。
――執筆で大変だったことはありますか?
自分がこうやってしゃべっているようにみんなに伝えられるのかなっていうのが、初めてだったのであったかな。言葉でこうやって伝えるとニュアンスとか、いろいろ伝わりやすいじゃないですか。だけど、そういうところまで、温かさとかにおいとか、そういう空気感的なものって活字にしてどこまでみんなに伝わるかなって思いました。
――エッセイを読んだ人にどういうことを伝えたいですか?
手にとってくださった人たちが、「ああ、松本梨香って面白いな」って思ってくれたらいいかなって思います。
■「体は全然動きますよ」 デビュー当初からの“進化”
松本さんは、芸能活動を始めた当初は舞台役者として活動。1988年に『おそ松くん』で声優デビューしました。当初はアフレコの際に苦労したことがあったそうです。
――声優デビュー当初、舞台役者としての癖で体が動いたとエッセイに書かれていましたが。
(今も)体は全然動きますよ。でも顔の位置だけはキープしながらマイクに外れないようにするとか。動きながら音を立てずに、というふうに進化した感じですかね。
例えば洋服とかも、今着ている衣装だったら音鳴らないですよね、手を動かしても。でもシャカシャカ音が立つものなんかあるじゃないですか。ジャンパーみたいなものとか、ああいうのとかダメですし、移動するのにスリッパみたいなものとかサンダルみたいなものだとペタンペタンって音がするじゃないですか。そういうのを履いてきた時は、もうはだしでやるとかね。
もうすっごく大変ですよ。音を立てないようにするということに関しては。
■「子どもたちは絶対にウソを見抜くと思っている」 だからこそ大切にしていること
アニメや吹き替えでさまざまな役を演じてきた松本さん。役を演じる上で大切にしていることがあるといいます。
――役を演じる上で大切にしていることを教えてください。
ウソをつかないということを大事にしています。
――そう考えるようになった理由はなんですか?
子どもたちは絶対にウソを見抜くと思っているからですね。伝わらないと思うから、ウソをついたら。だから演技も、“らしくやる”とかそういうことじゃなくて、本気で思って、本気で伝えたい。
■「夢って、見ていてもかなわない」 夢を追いかける人にメッセージ
また松本さんは、代々木アニメーション学院で声優、アーティストなどを目指す人へ授業を行うなど、後進の育成にも取り組んでいます。
――声優を目指す方にも指導をされている中で、夢を追いかける人にメッセージを送るなら?
夢って、見ていてもかなわないんですよね。行動を起こさないと。だから、それは“夢”というよりは“目標”。自分の中で目標を立てて、そこに一生懸命頑張ってもらえたらいいのかなとすごく思います。
もしも一生懸命頑張っても声優になれなかったとして、でもいろいろ学んだことは、例えば自分がお父さんやお母さんになった時に、自分の子どもたちに絵本を読んであげる機会があるとするじゃん。その時に子どもたちから、“自分のお父さん、お母さんは一番ステキに読んでくれた”って思ってもらえたら、それで大成功じゃん。それが一番大事な気がします。