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ジブリ『思い出のマーニー』 監督が明かす“音楽の制作秘話” 巨匠・宮﨑駿監督の“やり方”を踏襲

2023年1月12日 22:40
ジブリ『思い出のマーニー』 監督が明かす“音楽の制作秘話” 巨匠・宮﨑駿監督の“やり方”を踏襲
資料とともに制作秘話明かす(米林宏昌監督のツイッターより)
2014年に公開されたスタジオジブリの作品『思い出のマーニー』。米林宏昌監督が自身のツイッターで作品の“音楽制作にまつわる秘話”を明かしました。

『思い出のマーニー』は、イギリスの児童文学が原作。誰にも言えない悩みを抱え、心を閉ざす12歳の少女・杏奈(声:高月彩良)と、古い屋敷に現れる謎の金髪の少女・マーニー(声:有村架純)。北海道を舞台に、2人のひと夏の出会いと不思議な友情を描いた作品です。

『借りぐらしのアリエッティ』の米林監督が手がけた作品で、映画界最高の栄誉である米・アカデミー賞で長編アニメーション部門にノミネートされるなど、高く評価されました。

■“実写映画”のサントラきっかけで音楽の制作を依頼

米林監督は、13日の『金曜ロードショー』でのテレビ放送を前に、「僕がアニメーターなので絵の方の話題になりがちですが、今回は音の方の話をしてみます」と、『思い出のマーニー』の音楽に関する秘話をツイッターで順次公開。

当時50タイトル以上の映画・テレビドラマ・舞台の音楽を手掛けていた村松崇継(むらまつ・たかつぐ)さんが担当することになった経緯について、プロデューサーが持ってきたという実写映画『クライマーズ・ハイ』(航空機の墜落事故を巡る新聞記者の姿を描いた作品)のサウンドトラックがきっかけだったことを明かしました。

さらに、米林監督は「(『クライマーズ・ハイ』のサウンドトラックに収録されている)『486段』は勇気が湧いてくるような背中を押してくれる素敵な曲。このような曲を作る人ならマーニーの世界を音楽で美しく表現してくれるに違いないと思いました」とつづり、「原作を読んでもらったところ、涙を流してアンナに共感し、感動したそうで、すぐにお願いすることにしました」と、オファーに関する秘話を明かしました。

そして、米林監督が村松さんに音楽を依頼した際に使われた資料を投稿。「僕が音楽をお願いするときは宮崎監督がそうしていたことに習って、いくつかのテーマのメモを渡してまず自由に作ってもらいます」と、アニメ界の巨匠・宮﨑駿監督がやっていたという“音楽のイメージの伝え方”を踏襲していたことを告白。

公開されたメモには、苦悩を抱えるキャラクター“杏奈のテーマ”について「外の人に気付かれたくない 普通の顔で 普通の顔で…」など、葛藤している心情などを細かく記載。アニメーションの音楽制作における貴重なエピソードの数々を伝えています。