菊田一夫演劇賞特別賞大地真央、賞金を寄付
大衆演劇界で優れた業績を示した芸術家を表彰する「第36回菊田一夫演劇賞」の授賞式が25日、都内で行われた。
大賞は、ミシマダブル「サド侯爵夫人」のモントルイユ夫人、「イリアス」のプリアモス王を演じた俳優の平幹二朗(77)。これまでは主演として多くの演劇賞を獲得してきたが、今回は脇役の演技が評価された。「あまり脇役をやったことがなく、匙加減が分からず模索中のところでこういう賞をいただけたことは、これからの老優が生きていく励ましになって、とてもうれしく思います」と喜びを語った。
「マイ・フェア・レディ」のイライザ役で「特別賞」に輝いた女優の大地真央(55)は、賞金50万円を東日本大震災の義援金として全額寄付することを発表した。咋年、20年間計615公演を務めあげたイライザ役を卒業したが、心は常に観客と共にある。
オーケストラを率いた2007年の全国ツアーでは、東北地方を巡った。「今、大変な思いをされている東北の皆さまも一生懸命手を振って、私たちの舞台に応えてくださったことを思い出し、少しでも何かのお役に立てたらという思いでいっぱいでございます」とあいさつ。「東北の皆さまに、ミュージカルを拝見していただく日々が1日でも早く来ますことを願って、賞金を義援金として全額寄付させていただきたいと思っております」と表明した。
演劇賞には「モーツアルト!」の山崎育三郎(25)、「レベッカ」「ゾロ ザ・ミュージカル」の大塚千弘(旧芸名大塚ちひろ=25)、「宝塚BOYS」「アンナ・カレーニナ」の山路和弘(56)、「ローマの休日」の演出・脚本を務めたマキノノゾミ氏(51)が輝いた。