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中谷美紀、人生を肯定したくなるような作品

2011年4月29日 16:21
中谷美紀、人生を肯定したくなるような作品

 映画「阪急電車 片道15分の奇跡」の全国公開初日舞台あいさつが29日、都内の劇場で行われ、女優の中谷美紀(35)、戸田恵梨香(22)、宮本信子(66)、南果歩(47)、谷村美月(20)、有村架純(18)、芦田愛菜(6)らが勢ぞろいした。
 片道わずか15分の阪急今津線で起こる温かい奇跡を描いた物語。関西地区ではひと足早く、23日から先行公開していた。

 主演の中谷は、東日本大震災が残した爪痕に苦しむ日本の現状を思い、冒頭から「今、日本中が震災後の動乱で疲弊しているかと思いますが、この(作品の)温かい思いを日本中に届けたいと、ただただ願っています」と涙で言葉を詰まらせながらあいさつ。「この作品は失敗しても傷ついても、きっと立ち上がれる。自分の人生を肯定したくなるような作品になっています」と、このタイミングで本作が封切られることの意義を訴えかけた。

 中谷の思いを受け取った南も「電車はいろんなものをつないでいきます。ようやく東北新幹線も全線再開されて、私たちと東北もどんどんつながっていくんだと思います。私たちは第1次産業(農林水産業)にも携わっていないし、肉体労働も不向き。映画界の人間は何ができるんだろうと、1人1人が悶々(もんもん)としていたと思います。ようやく順番がきました。心を潤わすための一服の清涼剤、ひとときのやすらぎという形でこの映画がお手伝いになれば」と熱いメッセージを発信した。

 「阪急電車を一言で例えると?」という設問には、フリップボードに「祈り」と中谷。その心を「私たちは(撮影時に)お昼ご飯抜きだったんです。私たちはまだしも、エキストラの方々もお昼ご飯抜きで頑張ってくださって、そうしてできあがった作品が日本中にお届けできたらいいなという祈りを込めました」と解き明かした。

 最後は客席をバックに写真撮影。「阪急電車、出発進行!」というかけ声で全員が敬礼ポーズをとり、満開の笑顔でカメラのフレームに納まった。

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