【カメリポ】九州北部豪雨から7年 待ち続けた収穫の秋「最高にうれしい」姿を変えたふるさとで変わらぬ思い実る 福岡
福岡県朝倉市の杷木松末(はきますえ)は2017年の九州北部豪雨で甚大な被害を受けた地域です。今もなお復旧工事が進む中、米作りを再開した男性がこの秋、7年ぶりに米を収穫しました。
■小川信博さん(71)
「復興米。復興するためのお米。待ちました。」
黄金色の稲穂が揺れる山間の田んぼ。収穫の秋を迎えていました。
稲を刈り取るのは小川信博さん(71)です。この田んぼには小川さんの7年分の思いがつまっていました。
2017年に起きた九州北部豪雨。田畑が豊かに広がっていた朝倉市の杷木松末は、一瞬にして土砂や流木に覆われました。土砂の詰まりや復旧工事による地形の変化で、代々続く小川さんの田んぼには水が流れ込まなくなり、米作りができなくなりました。
■小川さん
「みんな、やられてしまった。」
復旧への道のりは簡単ではありませんでした。去年ようやく河川の工事が終わり、今も農地の整備が進められています。土砂に埋もれた土地を、農業に適した別の土で覆い、区画整理が始まったことし、小川さんに新しい田んぼが割り当てられました。
■小川さん
「水路はありますが、水は来ていません。この水中ポンプと発電機で水を上げました。」
はやる気持ちを抑えきれず、水路が整備される前に、自前の道具で水をくみ上げて田んぼを潤しました。7年待ち続けた米作りです。
■小川さん
「大変は大変ですけども。」
そして9月、小川さんの田んぼは豊かな実りの季節を迎えました。
■小川さん
「出来はと言われたら上手にできていないけど、できたことだけがうれしいです。」
■小川さん
「ごはんとノリと塩。」
収穫した米が炊き上がりました。
■小川さん
「このお米は新米。 復興米。おいしいばい。うまい、うまい。長かったとしか言いようがない。まだ早くできると思っていた。みんなの方がまだ大変やん。作られんけん。僕は作られただけラッキーよ。」
豪雨がふるさとを襲った日から、景色も地域のあり方も変わり続けた7年。つらく苦しい月日を経て、小川さんの変わらぬ思いがこの秋、実りました。
■小川さん
「最高にうれしい。」
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年10月8日午後5時すぎ放送