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中村歌昇、親子襲名で「冷や汗かいてます」

2011年5月6日 17:49
中村歌昇、親子襲名で「冷や汗かいてます」

 9月の新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」で三代目中村又五郎を襲名する歌舞伎俳優の三代目中村歌昇(55)、同時に四代目中村歌昇を襲名する息子の四代目中村種太郎(22)が6日、都内で会見を行った。

 会見には歌舞伎俳優の二代目中村吉右衛門(66)も同席。「又五郎のおじさんが亡くなられて、こないだ三回忌が終わりましたところでこのお話をいただきまして、これで播磨屋も安泰だなとつくづく感じました。襲名というのは、みなさん何か殻を破ったり、芽が出たり、そういうことがございます。又五郎くん(三代目歌昇)はもうすでに立派な役者でございますが、さらに飛躍をしてくれると。そして、お師匠番になってくれると期待しております」と喜んだ。

 2009年に94歳で亡くなった二代目又五郎は、国立劇場の俳優養成事業の主任講師を30年以上務めるなど歌舞伎界全体の発展に貢献。歌舞伎界の生き字引的な存在で、1997年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されている。

 三代目又五郎を襲名する三代目歌昇は「先代の又五郎のおじさんが大事に育ててきたお名前を襲名させていただきますので、私も播磨屋の一員としてますます精進いしたしまして、播磨屋の芸というものを身につけ、一生懸命取り組ませていただきたいと思っております」とあいさつ。

 同時に四代目歌昇を襲名する息子の四代目種太郎も「歌昇という名前は、父はもちろんですが、私が1度も会ったことのない祖父が名乗っていた名前でもあり、とても感慨深いものであります。この襲名を機に、播磨屋の一員としてますます勉強し、精進していく所存でございます」と深々と一礼し、名跡の重さをかみしめた。

 親子同時襲名について、家庭内で話題にのぼることはあるかと尋ねられると、三代目歌昇は「今、2人とも冷や汗をかいております。(二代目又五郎は)歌舞伎の世界でみんなが尊敬をなさっていた方でいらっしゃったので、その名前を継がせていただく事に大きな責任を感じております。せがれと一緒に襲名させていただくことには、本当に若輩者のせがれではございますが、こうやって機会を与えていただいたことに感謝をしている所存でございます。2人同時にということで、楽屋内で『歌昇さん』と呼ばれた時に同時に振り向いてしまうかもしれない」と苦笑い。

 四代目種太郎は「僕が襲名する運びというお話をいただいたのが、2人でごはんを食べていて『お前、襲名する?』みたいな軽い感じだったので、最初冗談かと思っていたんですけど、だんだん日にちが経ってきて、僕襲名するんだって実感がわいてきて。今とても緊張しております」と襟を正した。

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