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三枝、大看板「桂文枝」襲名「一層の精進」

2011年7月11日 22:45
三枝、大看板「桂文枝」襲名「一層の精進」

 公益社団法人上方落語協会会長で落語家の桂三枝(67)が、6代目桂文枝を襲名することが、明らかになった。所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーが発表したもので、16日に本人が都内で会見し、いきさつを語る。2012年7月16日、69歳の誕生日に襲名し、なんばグランド花月から「三枝改め『六代桂文枝』」襲名披露興業を行う。

 「桂文枝」は上方落語会の大名跡で、初代は明治初頭に人気を博した。金に困り十八番(おはこ)の演目「三十石」を質入れしたエピソードを持つ。2代目は「桂派」として活躍し、大阪市内に「桂塚」を建立。5代目は三枝の師匠で、2005年3月12日に没した(今年七回忌)。6代目笑福亭松鶴、桂米朝、桂春団治と「上方落語の四天王」と言われ、戦後、壊滅状態だった上方落語の復興に寄与した。華やかで陽気な人柄で、「はめもの」入りの上方落語を得意とし、上品ではんなりとした芸風が人気だった。

 三枝は文枝の総領弟子で、200席を超える創作落語を送り出す一方、2003年に6代目上方落語協会会長に就任。大阪に約60年ぶりとなる落語の定席「天満天神繁昌亭」を06年9月にオープンさせた。来年3月に完成する「上方落語協会会館」の建設にも汗をかくなど、行動力を発揮し存在感を強めている。

 襲名にあたり「上方落語の大看板『文枝』の名に恥じぬよう、命がけで、一層の精進をしてまいります」とコメントを発表した。