小栗旬、監督の不思議演出に役所広司と悩む
「第24回東京国際映画祭」のコンペティション部門に唯一の日本映画として出品された「キツツキと雨」が23日、東京・六本木ヒルズで公式上映された。
舞台あいさつで小栗旬(28)は、役所広司(55)の印象について、「普通のおじさんの役で、普通のおじさんぽかった」と尊敬の念を込めてたたえると、通訳が「おじさん」を「オールド・マン」と表現。それを耳にした役所は「ちゃんと伝わっているか心配です」と笑わせた。
その後行われた記者会見では、沖田修一監督の独特の演出が話題に。小栗は「特に何がダメっていうわけではないんですが、『もう1回いいですか?』と言われる。役所さんと『監督にしか分からない何か微妙なずれがあるんでしょうね』と話しながら、何を変えることもなくもう1回やりました」と現場をしみじみと報告。
役所は「これだけ面白い台本を俳優が演じて面白くなかったらどうしようという不安はあった」と、台本のおかしさを絶賛した。
作品の中で小栗は、気弱な新人映画監督を演じた。自身も映画監督の経験があるため、現実と重なるシーンもあったという。
「撮影現場から逃げ出すシーンがあるんですが、自分でも映画を撮っているときに、あした雨が降らないかなとか、何とか逃げられないかなと思っていた。役を演じながら、自分も感じていたなと思い出しました」と監督経験を役に重ねて振り返った。