×

幸四郎、声援が金メダル「最高の1日です」

2012年8月19日 20:23
幸四郎、声援が金メダル「最高の1日です」

 歌舞伎俳優の松本幸四郎(70)の主演ミュージカル「ラ・マンチャの男」が19日、東京・日比谷の帝国劇場で通算1200回目の公演を迎え、上演後に特別カーテンコールが行われた。

 1969年の初演以来、主人公のセルバンテスとドン・キホーテ役を幸四郎が演じてきた。

 記念すべき1200回目の公演には、同作品の脚本家である故デール・ワッサーマンさんの妻であるマーサ・ネリー・ワッサーマンさんも観劇に訪れていた。
 カーテンコールで舞台へ上がったワッサーマン夫人は、「夫から『自分が亡くなった後は、これを1番ふさわしい人に渡してほしい』と頼まれていました」と同作品が米国の演劇賞「トニー賞」の最優秀作品賞を受賞した際のトロフィーを幸四郎へプレゼント。予想外の贈り物に幸四郎も大感激で、「本当にきょうまで続けてきて良かった。最高の1日です。胸がいっぱいでございます」と涙ながらに喜びを語った。

 花束贈呈には、息子で歌舞伎俳優の市川染五郎(39)、孫で歌舞伎俳優の松本金太郎(7)が登壇。金太郎から「じいじ、おめでとう」と祝福され、うれしそうにほほ笑んだ。

 この日は幸四郎の70歳の誕生日でもあり、カーテンコールが終わると舞台上に集まった出演者からバースデーソングとバースデーケーキが贈られた。
 ケーキのろうそくを吹き消す際には、同舞台で共演している長女で女優の松本紀保(40)、二女で女優の松たか子(35)が幸四郎の両側からほほにキス。一瞬驚きの表情を浮かべた幸四郎は、豪勢なお祝いに「アイドルになったよう。70歳の誕生日には少し華々し過ぎですね」と照れ笑いで受け止めた。

 惜しみない祝福の拍手を送る客席に向かい、「私は何色のメダルも手にしてはいませんが、みなさんからの愛が心の金メダルとなって輝いております。これからはこの金メダルを胸に、大事に生きていきたいと思います」と満面に笑みを浮かべ、「ミュージカル人生、最高の日です」と喜びをかみ締めた。

 舞台は25日まで同所で。