崔洋一にんまり「名匠巨匠は底意地が悪い」
日本映画監督協会の理事長を務める崔洋一監督(63)が25日、東京・東銀座の東劇で開催中の「木下惠介生誕100年祭」でトークショーを行った。
スクリーンで上映される機会が少ない「死闘の伝説」を観賞し、「鋭利な視点、ある種の冷たさが木下映画の通底にあるのかなと感じた」と評したうえで、「木下惠介の底意地の悪さがあるというか」とにんまり。「名匠、巨匠には底意地の悪い人が多い」とユーモアを交えて語った。
村人が不確かな情報に踊らされる「死闘〜」について、「今の世相と通じる。2ちゃん状態。実証も検証もできないまま、事実がねじ曲げられていく」と分析。
木下監督は生涯で49作品を世に送り出したが、小津安二郎監督や黒澤明監督と比べ、海外での評価は高くない。「位置付けをしっかりしなきゃいけない人のひとり」と訴えた。