【一問一答】認知症を「信じたくなかった」
5月に認知症であることを公表した声優・大山のぶ代の夫で俳優の砂川啓介(78)の出版会見の主な一問一答は以下の通り。
——出版にいたった経緯は?
砂川「ちゅうちょしましたが、出すからにはさらけ出さないといけないと(思った)。うまくできるのか、反感を買うのではないかと悩みましたが、覚悟を決めて、あることを書いてしまおうと思いました」
——認知症を公表にいたったきっかけは?
「きっかけを作ってくれたのは(俳優の)毒蝮三太夫。全部自分で抱え込む性格だったが、(毒蝮は)うすうす感づいていたみたいで、『自分で全部背負うのはストレスになる』、『一人で背負っちゃだめだ。みんなに話をして味方がいた方がいい』(と言われた)」
——公表前後で変化はあった?
「(頭をなでたりとか)彼女に触ったり、一切したことがなかったが、公表後は触れるようになった。最初は素直にできなかったが、今はできるようになった。僕が笑うことで、彼女の笑顔も多くなった」
——認知症が発覚した当時の心境は?
「子どもたちの(大山に対する)イメージもあるし、言いたくない(と自分は思っていた)。それから信じたくない。賢い女性で、記憶力もよく、おしゃべりだったのに、そんなことになるなんて信じたくなかった」
——一番つらかったことは?
「いっぱいありますが、正直に言えなかった、ウソをついていた時期が一番つらかった。しゃべってホッとした。今はけっこう楽ですね」
——認知症患者を介護中の方たちへアドバイスを
「優しく接すること。よく触れてあげること。ときどき触ってあげることがいいと思う。寝る前はなるべく触れるようにしている。(自分も)ずいぶん照れなくなりました」