歌舞伎俳優の尾上菊五郎（７３）が、文化功労者に認定された。

　菊五郎はこれまで、芸術選奨文部大臣賞を受賞したり、日本芸術院賞（昭和６１年）、日本芸術院会員、重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されるなど、その至高の芸を認められてきた。

　都内で喜びの会見を開き、連絡を受けた際の心境などを明かした。
　「（代わりに電話に出た関係者が）何かいただけるそうだって言うので、たぶんマイナンバーでもいただけるのかなと」とユーモアたっぷりに笑わせ、「こんな栄えある賞をいただいてびっくりいたしました」とあらためて喜びをかみ締めた。

　家族からの祝福は「妻だけです」と即答し、「文化はあなたにあげるけど奨励賞は私ね、と言われました」と苦笑い。「芸を教えてくれた父を含めた先輩の方々に心より感謝しています」と、芸を受け取り次の世代に伝えることの重要性を言外ににおわせた。

　文化功労者として重みを受け止めつつ、「この賞をいただくのが、私のゴールではございません」と平常心で、「来月も歌舞伎座、お正月も国立劇場とまだまだ舞台は続きますので、きょうは新しいスタート、初日と考えまして、野球少年やサッカー少年のように私も歌舞伎少年として目を輝かせ、心をときめかせて、大好きな歌舞伎をこれからもつとめてまいりたいと思っております」と意欲を示した。