3年連続本屋大賞ノミネート・青山美智子 月に関する語りに心を寄せる5人の日常『月の立つ林で』
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家が登場する本作。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』。月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく物語です。
青山さんは1970年生まれ。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入りました。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。本屋大賞では、2021年に『お探し物は図書室まで』が、2022年に『赤と青とエスキース』がノミネートされています。