錦織一清 『少年隊』の命名秘話 ジャニーさんの狙い「聞き間違えるからいいじゃない」
■「ショータイム!」世界ウケを狙ったグループ名“少年隊”
――『少年隊』って結構不思議なネーミングだと思いますが…
“少年隊”って実は『ジャニーズJr.』って本当に(グループが)いたんですよ。僕よりも全然先輩たちがいたんだけど、僕が研究生で入った当初、1977年の時にはまだジャニーさんがそういった意味で『ジャニーズJr.』っていう言葉を研究生に対して使うことを封印していたんですね。だから『ジャニーズJr.』って言葉を、ジャニーさんが研究生に向けては使わなくなった。当初使っていたのが『ジャニーズ少年隊』ということになります。じゃあデビューになりましたって言っても、どういう名前がいいのって言われた時に、ジャニーさんにも『そのままでいいよ』って。最初はそんな感じでやってて、デビューにあたっては“ジャニーズ”という、上のところを取って“少年隊”だけになった。僕たちを実はアメリカにね、(ジャニーさんが)連れて行きたかったわけ。アメリカでデビューさせたいとか、世界デビューさせたい。それで僕たちの時からあったの(世界デビューの)計画って。ジャニーさんの希望があったわけ。そうすると、“少年隊”の名前って、『“ショータイム”って聞き間違えるからいいじゃない。“少年隊”って名前って』。そういうのがジャニーさん好きだった。ショータイム!
■デビュー曲『仮面舞踏会』の制作秘話
――『仮面舞踏会』といえば「Tonight ya ya ya… tear」のフレーズが印象的ですが、どうやって生まれたのでしょうか?
ものすごく時間がかかっているんですよね。半年ぐらいかかってて、イントロダクションで皆さん、おなじみのあれがあるけども、そこができるまでというのは相当時間もかかりますね。なかなかデビュー曲だから、ジャニーさんが首を縦に振らなかったっていうのがあって。“何か仕掛け作れ”とかジャニーさんそういう言い方するんだけど、レコーディングしていて、僕だけ残されて、間奏で何かメロディーを口ずさんどけとか、ハミングでもいいからってよく遊んだんですよね。その延長上ですかね。(その後)“Tonight”という言葉で、やっちゃうのどうかっていうのは、ディレクターがそのアイデアをくれて、イントロの言葉遊びみたいな、(その後)イントロは「Tonight ya ya ya… tear」って考えて、フレーズは僕が考えたのかな。
――フレーズを作るために参考にしたものとかあるんですか?
呪文で“アブラカタブラ”だったりとか、“アブラカタブラ”ってなんなのとか。『ひみつのアッコちゃん』の“テクマクマヤコン”って何なの? そもそもね。そういう(謎なもの)のが(自分は)好きなんだろうね。何か夢がある。“テクマクマヤコン”と同じことだと思う。「Tonight ya ya ya…tear」なんていうのは。そういうのが、(キャッチーなものが)好きなんじゃないですか? みんなね。夢がある感じがする。