全長65ミリの万年筆、約15分で完売ボールペン なぜミニサイズ文具が人気? 背景を取材【文具女子博2024】
文具女子博実行委員会の大山真央さんに“2024年のトレンド”を聞いてみると、「コンパクト、小さめの文具、省スペース(で使える)文具がトレンド。バッグやデスク周りにすっきり収納でき、サイズもミニサイズで“かわいい”ということで人気です」と回答しました。
たとえば、ミニ万年筆『PuChiCo(プチコ)』(ワンチャー)。全長65ミリのコンパクトサイズで、こちらの企業の別の万年筆と比べてみると、半分以下のサイズでした。記者が試し書きしてみると、ミニサイズながらも書き心地のよさがわかりました。
また、手のひらサイズのボールペン『ユニボール ワン P』(三菱鉛筆)は、文具女子博限定品が発売されました。『日テレNEWS』がブースに伺うと、すでに“SOLD OUT”の札が。担当者によると、「(開場が)始まって15分か20分くらいで完売」したということです。
■ミニサイズが人気の理由 “働き方の変化”にあり
小さなサイズの文具が人気となっている背景には、コロナ禍以降の働き方の変化があるといいます。コクヨのブースにあったのは、コンパクトなサイズのソフトリングノート『Sooofa(スーファ)』です。担当者に商品誕生の背景と、どんな場面で活躍しているか聞くと、「コロナ禍からハイブリッドな働き方になっている。家の中で働くとき、省スペースで働かなきゃならない方たちもたくさんいらっしゃいます。在宅勤務でパソコン(の前)が狭いと聞いていますので、手前のところに置いて、メモをとることが多いと聞いています」と話しました。
また、スケッチブックでおなじみのマルマンで見つけたのは、『ルーズリーフミニ』。こちらも「カフェで仕事をしたり、レンタルスペースで仕事をしたり、色んなスタイルがはやってきている」ことから、ミニサイズが人気だといいます。
ここでは、『ルーズリーフミニ』を挟んで使えるバインダーも展開されていて、様々な柄の中から表紙・裏表紙などを自由に選ぶことが可能。「カスタムできる良さがあるので、ご自身らしさが表現しやすいのが、うけているポイントだと思います」と、この文具ならではのポイントを語りました。
■文具に重視するようになった「持ち運びやすさ」
続いて見つけたのは、ユニークなコンパクトサイズのアイテム。ノートの左側の部分の中紙がくりぬかれていて、そこにすっぽりとミニボールペンが収まっています。
『ミニボールペン付スクリブルノート』(アンテリック・ステーショナーズ)は、「ノートとボールペンはいつも(一緒に)持っていると思う。よく“なくなったりする”という声から生まれた」という商品。手に取った人に話を聞くと、「コンパクトなところと、色が派手めでかわいい」「ペンが(ノートの)中に入るのが面白い」と話していました。
来場者に、“ミニサイズの文具”の魅力について質問。文具女子博に毎年来ているという30代は、今回小さいサイズのライフログが書けるノートを購入したといい、「使いやすいし、持ち歩きやすい。大きすぎるとそんなに書かないけど、箇条書きで書いていける」と、魅力を語りました。
また、親子で来場していた人は、母親(50代)が「最近バッグが小さいので、持ち歩いたりするものは大きいのは無理。持ち歩くには小さい方がいい」と、文具に対して特に携帯性を重視していると教えてくれました。