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人形浄瑠璃文楽の“大名跡” 十一代豊竹若太夫、襲名披露の成功祈願に西新井大師でお練り

2024年5月6日 22:10
人形浄瑠璃文楽の“大名跡” 十一代豊竹若太夫、襲名披露の成功祈願に西新井大師でお練り
十一代目豊竹若太夫さん
人形浄瑠璃文楽の大名跡を57年ぶりに襲名した、十一代目豊竹若太夫(とよたけ・わかたゆう)さん(77)が6日、『十一代目豊竹若太夫襲名披露 成功祈願法要』を東京・足立区にある西新井大師で行いました。

国立劇場5月文楽公演が、国立劇場の再整備のため東京・北千住にある『シアター1010』で開催されることから、同じ足立区の西新井大師で行われた今回のお練り。午後1時30分に『大師前駅』の駅前からスタートし、西新井大師の参道へ続き、本堂までの道のりを約30分かけて、声援に応えながら進みました。お練りを見に来た見物客からは「豊竹若太夫」や「十一代目」と歓声があがると、若太夫さんは、手を振りながら笑顔を見せていました。

お練り終了後、囲み取材に応じた若太夫さんは「お練りは非常に感動しまして、途中で感極まって泣きそうになりました。おみこしも出してもらえて、“豊竹若太夫”という名前が、ものすごく大きな名前だなと実感いたしました」と明かしました。

さらに、5月公演について「国立劇場を離れた公演は、意味があることだと思います。北千住という違う劇場で行うことは、違う土地の方と接することができる、文楽にとってもいいことではないかという気がしていますね」と、国立劇場を離れて新たな場所で開催する公演への意気込みを語りました。

江戸時代初期の大阪で誕生した日本の伝統芸能・人形浄瑠璃文楽は、語り手の太夫と三味線弾き、そして人形遣いの三者が一体となって表現する人形芝居。大名跡“豊竹若太夫”を57年ぶりに襲名した十一代目豊竹若太夫さんは、1967年に三代竹本春子太夫に入門し、翌1968年に初舞台を踏みます。2017年に六代豊竹呂太夫を襲名し、2018年に国立劇場文楽賞文楽優秀賞を受賞。今年4月に大阪・国立文楽劇場において十一代目豊竹若太夫を襲名しました。