尾上菊之助、片岡愛之助と『四月大歌舞伎』で共演 「食らいついていきます」
幕開けは、『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』より「引窓(ひきまど)」。それぞれの思いが、繊細に描かれた胸にしみる作品です。南与兵衛後に南方十次兵衛という役が好きだと話す、中村梅玉さん(77)は「今回は12年ぶりですし、親しいあらし君(松緑さん)が、濡髪(長五郎)役。活きの良い後輩に負けないように勤めたい」と、公演に向け語っていました。
続いて、舞踊『七福神(しちふくじん)』。天下泰平を喜び、いつまでも平安な世が続くようにと願いながら、神々が酒を楽しんだり、恋の手習いの艶っぽい踊りを見せたりと、にぎやかで愛嬌(あいきょう)あふれる、春の陽気にふさわしい舞台です。
そして、上方狂言の人気作『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』には、片岡愛之助さん(52)が団七九郎兵衛と徳兵衛女房お辰を勤め、尾上菊之助さん(46)が、一寸徳兵衛を勤めます。
公演前の取材会で、愛之助さんは「侠気(おとこぎ)にあふれ、一本気な上方の兄ちゃんですね」と話し、「今回も徳兵衛は、博多座(福岡)でもご一緒させていただいた菊之助さん」と共演を喜び、菊之助さんも「こんなにも早く歌舞伎座で、またご一緒できてとてもうれしいです。徳兵衛は、侠気を見せる団七にほれて、義兄弟の契りを結ぶ男なので、かっこいい愛之助さんの団七に食らいついていきます」と、息の合った共演に期待を膨らませていました。