デフリンピック日本初開催「手話で実況したい」姉妹の夢
今年、聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」が日本で初めて開催されます。デフリンピックの舞台で「手話で実況したい」という夢に向かう姉妹を取材しました。
去年11月。東京都内で行われたデフ陸上の大会。
今年、東京で開催されるデフリンピックの日本代表の選考のひとつです。
デフリンピックとは、英語で「耳のきこえない」という意味の「デフ」と、「オリンピック」をあわせた言葉で、聴覚障害者を対象とした国際スポーツ大会です。
陸上大会の実況を手話で担当したのは、平嶋萌宇さんと姉の沙帆さんの姉妹です。
萌宇さんは、大学3年生で、生まれつき耳が聞こえません。
2人は手話を身近に感じてもらおうと日々、活動していて、デフリンピックでは手話で実況することを目指しています。
そこで――
日本テレビ・蛯原哲アナウンサー
「こんにちはよろしくお願いします」
野球などスポーツ実況を担当している日本テレビの蛯原哲アナウンサーと、
日本テレビ・渡邉結衣アナウンサー
「私の名前は渡邉結衣といいます。よろしくお願いいたします」
手話が得意な渡邉結衣アナウンサーに、実況で大切にしていることを聞きました。
日本テレビ・蛯原哲アナウンサー
「ひとつは今を大事にすること。もうひとつは、選手全員が主役」
出場する全ての選手をたたえるため、フルネームで紹介することも重要だとアドバイス。
日本テレビ・蛯原哲アナウンサー
「選手のことをよく調べて、話を聞いて、伝えてあげられると深みが出る」
そこで、萌宇さんと沙帆さんは、直接、選手に会い行き、準備を重ねました。
そして、むかえた本番当日。
平嶋萌宇さん
「ドキドキする」
萌宇さんが手話で実況し、姉の沙帆さんは、手話の読み取りを担当します。
2人のノートには選手の情報がびっしり。
男子400メートル決勝。
平嶋萌宇さん(読み取り:沙帆さん)
「8レーン新田崚人選手」
実況で重要なポイント、選手全員のフルネームを伝えることが出来ました。
注目は、デフリンピックのメダリストで日本選手権2連覇中の山田真樹選手。
解説・三枝浩基さん
「足立選手もいいですね」
平嶋萌宇さん(読み取り:沙帆さん)
「足立選手も追い上げてきています」
優勝したのは、なんと、足立祥史選手。
予想とは違うレース展開にも冷静に対応できました。
日本テレビ・蛯原哲アナウンサー
「最高でした!素晴らしい!」
平嶋萌宇さん・沙帆さん
「ありがとうございます」
平嶋萌宇さん
「できることをひとつひとつ積み重ねていって、デフリンピックが開催される中で(この取り組みが)少しでも力になればいいなと思っています」
平嶋沙帆さん
「頑張りましょう!」