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カンヌ映画祭脚本賞・坂元裕二 「今も夢の中にいるような思い」 次回作についても明かす

2023年5月30日 21:35
カンヌ映画祭脚本賞・坂元裕二 「今も夢の中にいるような思い」 次回作についても明かす
脚本家・坂元裕二さん
映画『怪物』(6月2日全国公開)で、第76回カンヌ国際映画祭の脚本賞に輝いた坂元裕二さんが29日、是枝裕和監督(60)と共に『がい旋記者会見』に出席。帰国後初の公の場で、喜びを明かしました。

映画祭のコンペティション部門に選出された本作。公式上映では約9分半のスタンディングオーベーションでたたえられ、『脚本賞』と、LGBTQを扱った映画の中から選ばれる独立部門『クィア・パルム賞』を受賞しました。カンヌ国際映画祭において日本映画が脚本賞を受賞するのは、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』以来2年ぶり。坂元さんにとっては初の受賞となります。

■「今も夢の中にいるような思い」

受賞の感想を聞かれた坂元さんは「実感は正直あまりありません。受賞を聞いたときは寝ていたので、第一報を聞いたときに、“まだ夢を見ているのかな”と思いました。今も夢の中にいるようなそんな思いです」と心境をコメント。

また、記者から「脚本のどの部分を評価されたと考えますか?」という質問に坂元さんは「自分ではなかなか評価しづらいんですが…」と話した上で「(クィア・パルム賞の審査員長)ジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、“人の命を救う映画になっている”とおっしゃってくださったので、もしそれが誰かの心にそうあるなら、こんなにうれしいことはないなと思っています」と喜びを明かしました。

■次回作について

これまで『東京ラブストーリー』、『Mother』、『カルテット』など多くのヒットドラマを手がけてきた坂元さん。2021年には菅田将暉さんと有村架純さんによる映画『花束みたいな恋をした』の脚本を手がけ、今作が自身2作目の映画脚本となります。

記者から「今回の受賞で自身にもたらした影響は?」と聞かれた坂元さんは「もう少し早く映画を始めていれば、変わったのかもしれないですが、私もうけっこうなベテランで…カスカスなんです。絞っても何も出ない状態なので、日々学び、いろんな方に助けていただきながら書いてますが、正直自分がこれから何が書けるのか全く見えておりません。振り返ったときに、(今回の受賞が)自分をもう一つ成長させてくれたものだったなって思うかもしれませんが、今はもうカスカスです(笑)」と笑いを誘いつつ「当面映画を書くことは決まっています。ドラマは決まっていません」と次回作について明かしました。