尾上菊之助が涙…義父・吉右衛門さん追悼
11月28日に心不全のため亡くなった歌舞伎俳優の中村吉右衛門さん(77)。義理の息子で歌舞伎俳優の尾上菊之助さん(44)が2日、胸の内を明かしました。
菊之助さんは、2013年に吉右衛門さんの四女・瓔子(ようこ)さんと結婚。音羽屋の菊之助さんと、播磨屋の吉右衛門さんの娘という歌舞伎界の名門同士の結婚が話題となりました。
吉右衛門さんが亡くなる前日の27日に会ったという菊之助さん。これまでに若手の育成にも力を入れていた吉右衛門さんに稽古をつけてもらっていたそうで「岳父ももっと舞台に立ちたかったでしょうし、もっともっと教えを請いたかったんですけれども、それがかないませんでした。まず岳父が申し上げたいと思っているのは、岳父の芝居を愛してくださったファンのみなさまにまずはお礼を申し上げることだと思いますので、私からも改めてみなさまに御礼申し上げます」と話しました。
菊之助さんの息子・丑之助(うしのすけ)くんとのエピソードを振り返り「普段は強面(こわもて)で、なかなか威厳があって近寄れない岳父ですけれども、孫のことになると、やはりかわいがってくれまして。(吉右衛門さんは)プーさんが大好きだったんです。休みの月になるとディズニーランドに連れて行ってくださって、“プーさんのハニーハント”に孫たちと乗るのがとても楽しくしていらっしゃいまして、丑之助ももっと“じいたん”と一緒に芝居に出たいと言っていました」と明かしました。
また、吉右衛門さんが亡くなった11月28日は、丑之助くんの誕生日。ケーキを食べていた時に連絡があったそうで「その場ではとてもじゃないけど子供には伝えられなかったんですね。その2日後に伝えまして“丑之助の誕生日の日にじいたんは亡くなったから、毎年じいたんに感謝の言葉をお祈りしよう”と約束をしました」と父としての思いを話しました。
今年3月28日に救急搬送され、出演中だった舞台『三月大歌舞伎』の千秋楽を休演した吉右衛門さん。菊之助さんはその舞台の稽古で、明智光秀の役を教えてもらっていたそうで「(吉右衛門さんは)他人にも厳しいんですけれども、とにかく自分にも厳しい方。倒れる2日前にご自分のことより、肘を折って手術した私のことを心配してくださって。尊敬するとても優しい父でした」とこれまでを思い返し、涙ながらに語りました。