劇団東宝現代劇所属の俳優、そして演出家としても活躍していた丸山博一さんが、腎不全のため9月29日に都内の自宅で亡くなっていたことがわかりました。88歳でした。葬儀は親族で既に執り行われたということです。

今年12月21・22日に、丸山さんが構成・演出を担当する予定だった作品『夜汽車の人』の稽古を目前に控えた11月、丸山さんと連絡がつかなかったため、劇団員が家族へ確認したところ、9月29日に亡くなっていたことがわかったということです。

劇団によると、丸山さんは1934年11月20日生まれの秋田県出身。1957年に東宝演劇部と契約し、翌年に劇団東宝現代劇に1期生として入団。その年の芸術座公演『モデルの部屋』で初舞台を踏みました。

1961年には、作家・林芙美子役を森光子さんが演じた舞台『放浪記』（作・演出：菊田一夫さん）の初演に出演。中抜けもありながら、2009年の森さん主演の最終公演まで出演。林芙美子を見守る詩人仲間の上野山（うえのやま）役を演じ、当たり役となりました。

さらに、近年ではミュージカル『ジキル&ハイド』『ミー&マイガール』のほか、帝国劇場開場100周年記念作品『風と共に去りぬ』に出演。 第8回（1982年度）の『菊田一夫演劇賞』演劇賞を、山田五十鈴さん主演舞台『横浜どんたく－富貴楼おくら－』の演技により受賞しました。

劇団員は丸山さんの遺志を継いで、『夜汽車の人』の初日に向けて稽古を続けているといい、丸山さんによる構成のもと、劇団東宝現代劇の横澤祐一さんが演出を手掛けるということです。