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『フリーレン』や『ヒロアカ』に出演 声優・岡本信彦 プロ棋士の夢から声優の道へ

2024年2月2日 23:50
『フリーレン』や『ヒロアカ』に出演 声優・岡本信彦 プロ棋士の夢から声優の道へ
アニメやマンガが大好きな伊藤遼アナウンサーが岡本信彦さんを深掘り
『葬送のフリーレン』のヒンメルや、『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己、『青の祓魔師』の奥村燐などの声で知られる声優の岡本信彦さん。

実は声優を目指す前は、プロ棋士になる夢があったといいます。そんな岡本さんが声優を目指すまでのエピソードや仕事への向き合い方などを“アニメ・声優オタク”の私、伊藤遼がお話を聞いてきました。

■岡本信彦 声優は「お金では買えない体験」

子供のころから将棋が得意でプロ棋士を目指していたという岡本さん。しかし、中学生のときに同世代の実力の高さを目の当たりにし、夢を声優へと切り替えたといいます。


――プロ棋士からなぜ声優に?

将棋って棋譜があって、「君はこの一手がダメだったね」という敗着の一手みたいなのが確実に存在します。「これよくないね。これよくないね。これよくないね」と、否定された感じがしていたんですよね。一方、お芝居は否定ではなく「それもいいよね」の連続だったイメージがありました。多分、小学生の時の演劇か何かだと思うんですけど、そういうのも含めて声優さんに興味を徐々に持ち始めた気がしますね。


――声優はどんな職業ですか?

変化の連続であり、刺激の連続であり、楽しさが詰まっていますね。元々アニメも好きでしたし、アニメのキャラクターに自分がなれるなんて。いろんな人生を歩ませてもらっていて、しかもそれが非現実的な世界観みたいなものも追体験させてもらえるって、通常の生活ではなかなかできないことをさせてもらっている気がするんですよね。これはもうお金では買えない体験。とてもステキな生活をさせてもらった気がしますね。

週刊少年サンデーで連載中の『葬送のフリーレン』。累計部数1700万部を突破し、マンガ大賞2021で大賞に輝いた人気作品です。そんな『葬送のフリーレン』がアニメ化され、2023年10月から日本テレビ系にて放送中です。岡本さんは、主人公のフリーレンと共に魔王を倒した勇者、ヒンメルを演じています。


――岡本さんは攻撃的な役を演じることが多い印象ですが、ヒンメルは心優しいですよね。役作りはいかがでしたか?

役作りは難しくて…。ヒンメルは「僕、イケメンだろ?」って言うんですよ。自己肯定感が高いキャラクターなんです。そういう部分もあったり、この作品がファンタジー作品っていうのもあったりしまして、“勇者らしい勇者”として最初お芝居をしようと思ったんです。ただ、現場に行った時にフリーレン、アイゼン、ハイターの声を聞いて、マイク前に立った瞬間に「あ、そういう作品ではなく、もっと日常的なリアリティーあふれるお芝居の方がいいんだな」と感じまして、デフォルメをすることをあまりしないようにしました。「カッコいいだろ?」っていうシーンもキザにやるのではなく、本当にカッコいいと思っているから言っているくらいのおちゃめさみたいなものが出たらいいなと思いながら演じています。一方でヒンメルの優しさは、フリーレンへの慈しみみたいなものが出たらいいなと思って演じました。“愛”という言葉はあまり出てこないですが、慈愛を込めて「フリーレン」と言ったり、語りかけたりすることは心掛けましたね。

――夢を目指す人々に、アドバイスを送るとしたら?

夢は諦めなければ必ずかなうんですよ。必ずかなうんですけど、この夢の分岐点みたいなものがどこかで変わる気はするんです。だから、いろんな夢を持っていていい気がしますね。そうしたら、かなえられる気がしますね。これしか見えないという夢に突き進んで行った時に、実生活なのか夢に突き進んだ旅路の途中なのかはわからないですけど、こういう職業も楽しそうだというのが絶対出てくると思います。それがまた夢につながっていけたらいいなとは思いますよね。

【岡本信彦プロフィル】
1986年10月24日生まれの37歳。東京都出身。将棋3段の資格を持つ。『葬送のフリーレン』のヒンメルや、『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己、『青の祓魔師』の奥村燐など、数々の話題作で主要キャラクターを演じる。2009年の第三回声優アワードで新人男優賞、2011年の第五回声優アワードで助演男優賞を受賞。

【お話を聞いて一答遼談!(編集後記)】
「いろんな夢を持っていい」という言葉は、プロ棋士から声優に夢が変わり、それをかなえた岡本さんだからこそ伝えられるメッセージだと感じました。一つの夢を追いかける中で得た様々な経験が、自分の新しい夢につながると思えば、全ての努力が無駄ではないと感じられます。岡本さんの生き方や言葉は多くの夢を追う人々の背中を押してくれると思います。


企画・取材:日本テレビ 伊藤遼