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二次創作が広げる世界観…ファンとクリエイターの"共創" ジェネラティブNFT【SENSORS】

2023年4月30日 5:00
二次創作が広げる世界観…ファンとクリエイターの"共創" ジェネラティブNFT【SENSORS】
(左から)うじゅうなさん、草野絵美さん、NIKO24さん、pajiさんのプロフィールピクチャー

ブロックチェーンの技術で代替不可能なことを証明する「NFT」は、近年デジタルアートの世界で注目を集めている。その中でも、プログラムにより膨大な数の作品を自動で生成できる「ジェネラティブNFT」は、「PFP(Profile PictureもしくはProfile Photo)」と呼ばれるSNSなどのプロフィールアイコンとして多く活用されている。

PFPを中心に盛り上がるジェネラティブNFTコミュニティには、どんな特徴があるのか。コミュニティの魅力や二次創作文化について、ジェネラティブNFTの最前線で活躍する4人が語り合った。

■「キャラ全員が主人公」…ホルダーの"分身"に

ジェネラティブNFTは、プログラムによって、ベースは同じでもバリエーションが違う“オリジナル”な作品が生成されるため、その人らしさを表すSNSアイコンとの相性がいい。日本発のジェネラティブNFTコレクション「ネオトーキョーパンクス(NEO TOKYO PUNKS)」で2,222体の作品を生成したNIKO24さんはジェネラティブNFTの面白さを次のように語る。

「一般的なキャラクターと違って主人公がいないことが面白い点です。ネオトーキョーパンクスでは、2,222体全員が主人公というサブテーマを設けていますが、予想もしないような組み合わせの作品もあり、それが個性になっています。そのキャラクターをSNSのプロフィールアイコンに設定すると、面白いことに、ホルダーの分身の様なものになって。“分身だから売れない”とか、“アイコンを使って名刺を作った”という話も聞きます。自分が持っているNFTの髪型を真似ている人もいて、完全に一体化しています。そこまで入り込むのは、特定の主人公がいるこれまでの作品との違いだと感じます」

「クリプトニンジャ・パートナーズ・ジョブズ(CryptoNinja Partners Jobs)」を創出したうじゅうなさんは、同じコレクションを持つ“一体感”も特徴的だという。

「コミュニティの仲間と新たなNFTを発行するとき、小学生の頃にビックリマンチョコを買ってきて『何のシールが出た?』と見せ合うような楽しみがあります。コミュニティやSNSで関わる人たちと、同じ価値観を持っていると感じられることもジェネラティブNFTの魅力です」

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