岡田健史は “ブルース・リーにしか見えなかった” 白石和彌監督が撮影の裏側明かす
■映画『死刑にいたる病』の撮影を振り返って
――映画はシリアスで残酷なストーリー、撮影の雰囲気はいかがでしたか?
阿部:すごく雰囲気はよかったですよ。温かい雰囲気なんですよね。この作品とは違って。結構、笑いの絶えないというか、白石監督がムード作ってくれる方なので。
岡田:現場は信じられないくらい和やかですよ。
――劇中ではかなり残酷なシーンもありました。演じてみていかがでしたか?
阿部:でも、本当(被害者役の)みんな笑顔で帰って行くんですよ。血だらけだったり、めちゃくちゃにされているんですけど「ありがとうございました!」みたいな。
岡田:本当、変態なんですよね俳優って。
阿部:できないことをできるときの喜びみたいなのはすごいあるから。変身できるというか、自分じゃない人を演じられるっていうのはすごい喜びがありますね。
■白石和彌監督が明かす撮影の裏側
白石監督は阿部さんについて「つかみ所がない人。撮っても撮っても撮れた気がしなかった」と教えてくれました。
――白石監督からの回答を聞いていかがですか?
阿部:「もっと撮って」って思います(笑)まだまだ撮っていただきたいです。
岡田:白石監督がおっしゃっている阿部さんの“つかみ所がない人”って、ただつかみ所のない人だったらそれで終わるんですけど、こっちが知りたくなったり、興味を持ったり、この人どんな人なんだろう?と思える人で。こっちから(知りたくて)行くんですけど、本当“煙”のようで、指の間を抜けられるように「はは~」って言いながら帰られるのが阿部さんです。
白石監督は岡田さんについて「とにかく真面目で真っすぐな人。印象的なシーンで、ランニング姿で焼きそばを食べているシーンはブルース・リーにしか見えませんでした」と明かしてくれました。
――そのシーンを振り返ると?
岡田:細かくは覚えてないんですけど、オレンジジュースとおにぎりと焼きそばをかっ食らって、(捜査に没頭したいから)食う時間この瞬間だけ、みたいな食事の仕方している(役)だったので“狂ってんな”と思いながらやらせていただきました。
――阿部さんはその姿見られましたか?
阿部:見ました。(ブルース・リーに)似ていたし、(役が)食べることにそんなに執着していない人だから、おにぎりのビニール食ってます(笑)見てみてください。
白石監督からもう一つ、阿部さんに関して「演じながらいろんな音楽が頭の中をリフレインしていたそうです」との情報を聞きましたが本当ですか?
阿部:そうですね。シーンによって音楽が流れるっていうのはありますね。中山美穂さんの時は『50/50』が流れたりとか、そういうのはありましたね。
――岡田さんの時は何か音楽は流れましたか?
阿部:岡田さんとは面会のシーンしかなかったので、そのときはあんまり流れてないんですよね。面会室のシーンは撮影所だったので。
岡田:ある意味あそこ(撮影所)は異空間というか、スタジオの中にセットを作っているので、(曲が流れないのは)分かるような気がしますけどね?(笑)
阿部:Mr.Childrenとか言っとけばいい?(笑)