SKY-HI、“ミツノブさん” の一言で音楽の世界へ…「ありがたい」背中を押した言葉
■Da-iCEは “同志” トークも歌収録も「緊張感なかった~」
――Da-iCEの5人と共演していかがでしたか?
自然にやれてよかったかな、という感じですかね。「毎年、毎月会うぜ!」っていうほどの距離感では当然ないけど、でもずっと “同志” みたいな気持ちもあるし、“距離の近い友人たち” なので。そのまんまやれたのはすごくよかったですね。
――どんなパフォーマンスを披露したのでしょうか?
昔やった曲で。「SUPER FICTION casts SKY-HI」という曲を、もうちょっと “肩の力抜けたバージョン” というか。ボーカルのみで3人でやったら、楽しかったですね、わりと。
――番組の注目ポイントは?
“緊張感のなさ” じゃないですか? (出演者の)EXITともDa-iCEとも関係値もあったので、同世代が集まってるみたいな感じだったじゃないですか。それもあってか、緊張感なかった~。話もそうだし、歌もそうだし、初めてですよ、こんなに緊張せず汗もかかず終えた収録は(笑) 特に歌唱パフォーマンスってなると、どんなに歌いなれている曲でも緊張感すごいありますけど、7~8年ぶりに歌う曲を「この緊張感のなさでやれるんかい!」というのが楽しかったですね。
■SKY-HIを表す “4つのピース” は 『ミツノブとユキコ』 『鈴原トウジ(冬二)』 『ラッセル シモンズ』 『チョコレート』
――1つ目のピース【ミツノブとユキコ】
“両親” ですね。おやじが元々飛行機乗りだったりしたんで、メールアドレスに “SKY” って入っていたりしたんですよ。当時の “ボーダフォン” の頃のアドレスに…(笑) そういうのもあって、“SKY-HI” を構成している要素は相当大きいと思いますね。(元々、左耳が聞こえづらく)健康優良児っていうわけではない幼少期だったのでね。それが、あまりひねずにやれていたのは、両親のおかげじゃないかと。あと、こういうことを書くと喜ぶんじゃないかと思い書きました
――両親に言われて “思い返す” 言葉は?
「音楽で食っていこうと思う」という話をしてしまったんですけど、(父親の)ミツノブさんから「おまえ、左耳聞こえないのに音楽やるの?」という話をされまして。「あぁ、それはおまえ、人と違う聞こえ方ができてよかったな」という話をされたのは、「あっ、ほんまや。ラッキーやな」と思えて現在に至っているので。ありがたいなと思っていますね。
――2つ目のピース【鈴原トウジ(冬二)※1】
村上龍さんの『愛と幻想のファシズム』の主人公というか、主要キャラクターですね。鈴原トウジ(冬二)も二十歳超えてからだいぶ強い影響を受けましたし、こちらの “ミツノブ” とだいぶあれなんですけど…。人っていうのは “欠けた部分こそが特徴” というか、普通の人よりダメなところ、劣っているところ、っていうふうに思わずに、欠けているものを “長所” というか “特徴” として捉えよう、っていう考え方を2人ともされている方ではあるので。だいぶ人間性は違いますけど、自分の中でもそういう考え方は根付いていますね。
※1 鈴原トウジ(冬二)
世界経済が恐慌へ突入し、未曽有の危機を迎えた日本を舞台にした小説『愛と幻想のファシズム』(著:村上龍 1987年発売)の登場人物。政治結社「狩猟社」を率いる若きカリスマで、日本を動かし始めるキャラクター。
■SKY-HI 「自分の会社で自分の音楽をやろう」“会社設立” 原点となった人物
――3つ目のピース【ラッセル シモンズ※2】
僕が思春期の頃、ジェイ・Zがヒップホップ界でキングとして、今もキングではあるんですけど君臨していて。ジェイ・Zの何がかっこよかったって、自分で会社を作っちゃって、それまでの常識を一気に塗り替えていく、みたいなスタンス。歌っていることをそのまま現実にしていく姿に、少年は相当心を打たれましたね。(自身が)会社を作りたいと思ったのは、ラッセル シモンズとかジェイ・Zとかを見ていて「かっこいいな」と思っていたから、っていうのは確実にありますね。16歳ぐらいのときから「いつか自分の会社で、自分の音楽をやろう」とは思っていたので。
※2 ラッセル シモンズ
1984年にアメリカのレコードレーベル「デフ・ジャム・レコーディングス(Def Jam Recordings)」を設立。ビースティー・ボーイズやジェイ・Zら、名だたるアーティストたちを輩出した。
――4つ目のピース【チョコレート】
好きなんですよね。ただ、こういう場でこういう話しするのは、ちょっと気がひけるというか…。これを見た直後に、例えばお仕事にご一緒する方いらっしゃるじゃないですか? チョコレートの差し入れをしてくださる、とかいうこともあるんですよ。太っちゃうなと(笑) 自分の会社のアーティストの親御さんに高級なチョコレートをいただいて、案の定1箱すぐいっちゃったんですけど。
――1箱どのくらいあったんですか?
700…はなかった。でも20~30個とかじゃないですか。もらうと「ウワッ!」と思いながら、でも食べちゃうんですけどね。だから、人生を狂わせられるとしたら、こいつにじゃないですかね。