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尾上右近 3歳から憧れの鏡獅子で、歌舞伎座の舞台に立つ「いろんな節目が重なった」

2025年3月15日 6:40
尾上右近 3歳から憧れの鏡獅子で、歌舞伎座の舞台に立つ「いろんな節目が重なった」
取材を受ける尾上右近さん
歌舞伎俳優の尾上右近さん(32)が14日、東京・歌舞伎座で上演される、松竹創業百三十周年『四月大歌舞伎』(4月3日初日)夜の部で勤める『春興鏡獅子』の取材会を行い、舞台に挑む心境を語りました。

新歌舞伎十八番の一つ『春興鏡獅子』は、1893年に九世市川團十郎さんが初演。その後、六世尾上菊五郎さんが継承し、現在まで受け継がている演目です。1人の俳優が可憐(かれん)な小姓の弥生から一転、勇壮な獅子の精という対照的な2役を踊り分ける舞台です。

右近さんは、「前半の弥生という女性の舞踊からこの勇ましい鏡獅子に変わるということが重要。女方、立役どちらも体に入っていないとできないお役であることが、一番大きく言えることだと思うんです」と役に対しての印象を語りました。

右近さんは3歳のころ、曽祖父・六世菊五郎の『春興鏡獅子』に魅せられて以来、「いつか歌舞伎座で鏡獅子が踊れる役者になる」と目標に掲げ続けてきたといいます。

憧れの演目を、歌舞伎座で初披露する右近さんは「3歳の時に、この『春興鏡獅子』に出会って、今年(5月で)33歳なので30年。初舞台から25年。尾上右近襲名から20年。そして自主公演でやらせていただいてから10年。鏡獅子に対する思いをずっと持ち続けてここまでやってきましたけれども、いろんな節目が重なった時にやらせていただくというのは、“ついに”でもあるし、“ようやく”でもあるタイミングだったのかなとも思います」と話しました。

続けて右近さんは、「“役者子供”という言葉が、最近、気にいっているんですけど。どこまでも“役者子供”でいたいなというふうに思います。勉強することも修業することも楽しくワクワクやる、青臭くいるということですかね」と語りました。

最終更新日:2025年3月15日 6:40