中井貴一、脚本家・山田太一さんを追悼 『ふぞろいの林檎たち』の面接当時を明かす
■中井貴一さんのコメント(公式ブログより)
山田太一さんの訃報を受けました。
まだ、役者として右も左も分からなかった頃、「ふぞろいの林檎たち」の面接でお会いしたのが、今から42年前。その頃、既に大巨匠脚本家だった山田太一さんでしたから、さぞかし怖い方なのだろうと、かなり緊張しておりましたが、実際は、物腰柔らかで、とてもジェントリーにお話をして下さいました。出演が決まり、初日の本読み、顔合わせの時も、物腰柔らか。しかし、本読み終了時、「私の台本は、語尾の一つまで考えて書いておりますので、一字一句変えない様に芝居をして下さい」と、ピシャリ。物腰とは裏腹に、実に辛辣にお話をされる方でも有りました。
台本を通して、私に芝居というものを教えてくださっただけでなく、その台本から、人としてのあり方までも教わった様に思います。
言い尽くせぬお世話になりました。
でも、もう一度、山田さんの台本で芝居がしたかった。
心からご冥福を祈ります。