佐藤弘道、脊髄梗塞を経験して伝えたいこと「自分自身で成功例を作りたい」
ゆっくりとした足取りで部屋に入ってきた佐藤弘道さん。現在の症状について、「腰回りがまったくまひしているので、触られてもまったく分からないのと。立ったり座ったりするのはできるようになって、歩くのは普通の人のようにはまだきちんと歩けなくて。左足の方がまひが強いのでたまに引きずるような」と、明かしました。
病が佐藤さんを襲ったのは今年6月。出張のために乗った飛行機の中で体調を崩し、下半身が動かなくなってしまったといいます。その時の状況について佐藤さんは、「飛行機の中であまりの腰の激痛で。立ち上がろうと思ったら、あれ?って。自分の足が付いてるのかな?という感覚になって。もう腕だけで(飛行機の)一番前まで行って、車いすに乗せていただいたような状況です」と、話しました。
医師から告げられた病名は『脊髄梗塞』。脊髄の血管がつまることで突然、手足などが動かなくなる病気です。佐藤さんは、「脊髄梗塞って何だろうって調べて。初めてそこで『あーもう治らないんだ』って。恐怖もありましたし、喪失感というか。これからどうしようという気持ちもありました。『なんで自分だけ?』、『なんでこんな病気になったんだろう』とか。精神面を乗り越えることがやっぱり一番きつかったですね」と、当時を振り返りました。
そんな絶望の中で支えとなったのは家族でした。佐藤さんは、「家族の支えがあって初めて前向きになれたことが大きかったので。息子たちも『パパ早くゴルフできるようになろうね』とか。妻も人一倍僕以上に頑張ってくれてるというか。家族がみんなポジティブになってくれたおかげで、僕自身もポジティブになれたというか。家族があって良かったなと思いました」と、心境を明かしました。
その後、懸命にリハビリに臨んだ佐藤さん。そのかいもあり、歩けるまでに回復し、先月20日、無事に退院を報告しました。頑張る勇気をもらったのは家族だけではありません。佐藤さんは、「皆さんから応援メッセージをいただいたりとか、あとは(脊髄梗塞を)経験された方から、『私は今、何年前に脊髄梗塞を発症して今こういう状況です。だからあきらめないでください』という成功例とかも実際にメッセージ送ってくださったので、じゃあ僕もそこまで行けるかもしれないっていう勇気をいただいた」と、話しました。
佐藤さんは現在週に2、3日、理学療法士とパーソナルトレーナーにトレーニングを受けているといい、「自宅で生活自体がリハビリなので、立ったり、しゃがんだり、動いたり、掃除したり、洗濯したり、洗い物したり、料理したりっていうのがリハビリになってくるので。高層マンションに住んでるので1階から約30階まで毎日階段上って、足鍛えたりとか」と、話しました。
懸命なリハビリに取り組む佐藤さん。そこまで頑張るのは伝えたいことがあるからだといい、「この脊髄梗塞という病名を1人でも多くの人に知っていただきたいなというのと。リハビリをすればある程度の所までは回復できますよという。自分自身で成功例を作りたいというのが大きな目標です。フルマラソン100キロとかできるぐらい回復したいなと思っています」と、目標を語りました。
(9月12日放送『news every.』より)