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“エビちゃんOL” “優OL” “もえカジ”…一大ブームのきっかけは 編集長が語る『CanCam』の40年

2022年11月22日 22:35
“エビちゃんOL” “優OL” “もえカジ”…一大ブームのきっかけは 編集長が語る『CanCam』の40年
創刊から40年以上の歴史を持つ雑誌『CanCam』 2007年3月号(蛯原友里さん)
1981年11月に創刊され、40年以上の歴史があるファッション雑誌『CanCam』。「Can Campus」が名前の由来で、キャンパスライフを楽しんでほしいという思いでつくられました。40年、時代の変化に合わせて様々なファッションを発信してきた『CanCam』の変遷をたどりました。

■Jリーガーにマハラジャ、ゲレンデ特集…創刊当時を振り返る

“専属モデル”がおらず、読者モデルが主役だったという創刊時。80年代には松田聖子さんや小泉今日子さんなどのアイドル、90年代にはJリーガーなど、読者が憧れる“時の人”が多く登場していました。現・編集長の安井亜由子さんによると、専属モデルが表紙を務めるようになったのは1996年の藤原紀香さんのころからだといいます。「それ以前は今でいうインスタ映えなどの特集と同じ感覚で、みんなの憧れや現象を取り上げました。マハラジャ、ゲレンデ、手作り小物なども特集していました。今では全く馴染みないですよね」と、当時読者に求められていたものを振り返ります。

■“エビちゃんOL” がブームに キャラクター設定が鍵に

2000年代になると、蛯原友里さんをはじめ、押切もえさんや山田優さんなど“トップモデル”が誕生し、一世を風靡(ふうび)。その時代には“キャラクター設定”されたモデルたちが誌面を飾るようになりました。例えば蛯原さんは、女子大を卒業して1,2年目で“彼がいるけどモテる”という人柄の “エビちゃんOL” という設定で、読者から多くの支持を集めました。

なぜその“設定”が人気だったのか、安井編集長は「どこかいそうと感じさせるというか、“憧れ”でありつつも、“自分もなれるかも”、“マネできる”的な親しみやすさが生まれていました」と分析。90年代までは “憧れの的”が求められていましたが、女性の社会進出が進むにつれ、“マネしやすい”ものが求められるようになったといいます。

その時代の“ある価値観”にも変化があったそうで「当時は“育ちが良くて上品”、“1人の人と付き合って結婚することが幸せ”という1つの文化のようなものがありました。でも『CanCam』は “エビちゃんOL” という設定が主役になったことで、男の人からも女の人からも、先輩からも後輩からもモテる“全方位モテ”を押し出しました。それまでの価値観が変化していくような提案をしていました」と語りました。

■“全方位モテ”から“自分らしさ”重視に 今求められるものは

今ではキャラクター設定をすることはあまりないそうで「今はモデルのプライベートがSNSで見られるので、誌面で着ている服と実際が違うとリアリティーがないですよね。昔は“エビちゃんってこういうお洋服着てるんだ”という意識で見られたけど、今は“実際はカジュアルなんだ”と、現実とのギャップが生まれる。そうなると少し冷めますよね」と、時代の変化に合わせてモデルが着る服装にも変化があったといいます。

さらに、今は“自分らしさ”や“なりたい私”が大事にされる時代だという安井編集長は「“モテる”ということも寒いかな…と考えますし、昔と比べて詰め込まないようにしています。紙媒体の売上が減って、毎月買ってくれる時代ではない今は、“たまたま買ったら面白かったからまた買おう”と思ってもらえるものを作り続けたいし、どんな時代でも女の子に寄り添える雑誌でありたい」と、雑誌作りへの思いを明かしました。